2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

完成されたひとつの個性

毎月月末はMacFanとMacPeopleのふたつを買って読んでいます。この二誌は定期購読してもいいかなと思っているくらいで、毎月楽しみです。とくに今月号は、先月末にiPhoneの発売があったため、iPhoneの記事でぎっしりです。読むのがとても楽しみ。iPodもしかり…

ながーいchainを作るレンサ球菌

髄液の培養ボトルから出てきた、超長いレンサ球菌です。これも知っているかどうかが勝負の分かれ目で、知っていればすぐにStreptococciだろうと検討がつくのですが、知らなければとても面食らいます。無菌材料から出てきたレンサ球菌については頑張ってStrep…

S.pneumoniae肺炎(おそらく)

久しぶりのグラム染色スライドです。87歳男性、肺炎様症状で運ばれてきました。1000倍(強拡大)強拡大の画像しかありませんが、喀痰が採れなかったらしく、検体は気管内吸引物でした。Miller-Jones分類で云えばP1程度、Geckler分類でG5です。視野中にフィブ…

微笑ましい研修医

ものすごく典型的なS.pneumoniae肺炎を見ました。救急から至急で抗酸菌を見てほしいと云われた患者だったのですが、こういった患者さんはたいていの場合は細菌性の肺炎で、抗酸菌が見えることはほとんどありません(もちろんTBは絶対に否定しておかなければ…

突発性細菌性腹膜炎を叩く

これもちょこちょこ見られる疾患のひとつだと思います。ドクタはよくSBPと略しますので、略語を知っていないとまったく会話になりません。検査データを見るだけで、だいたいこの疾患の存在は想像出来ます。あとは腹水から細菌が出てきたら確定的です。突発性…

敵は誰だ?

タミフル服用後に異常行動を起こして死亡した岐阜県の男子高校生(当時17歳)の遺族が、タミフルとの因果関係を否定され、精神的苦痛を受けたとして、副作用かどうかを認定する厚生労働省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(東京都)に対し、…

骨盤腔内膿瘍を叩く

基本的に、産婦人科の領域になると思いますので、一般的な診療科で治療することはないのではないかと思います。妊娠してたりするとすごく専門的な治療になると思いますので、一般的な内容を大きく逸脱します。こうなるともはや産婦人科の独壇場ですね。場合…

もったいないという感覚

日本人の美徳、みたいに云われる「もったいない」ですが、資源の節約という点では違うのでは?とよく思います。たとえば、食べ残しは「もったいない」、これは理解出来ます。もったいないというか、作ってくれたひとに対して失礼でもありますよね。いちおう…

マイクロソフトが医療情報を標準化

いちおう私も医療情報技師だし、このことには触れておかないといけない。 マイクロソフト(MS)は7月11日、医療現場におけるIT(情報技術)化の推進を目指す「Connected Health Platform構想」(以下、CHP構想)を発表した。 同社が英国などで既に展開してい…

日本脳炎について

元ネタはここ。 厚生労働省は20日、日本脳炎の予防接種の激減により、この病気の免疫を持つ0〜4歳の子供の割合が2割以下まで低くなっているとして、子供らが日本脳炎ウイルスを媒介する蚊に刺されないよう、ホームページで注意喚起を始めた。 もともと…

超雑記

そんなベジータ様が大好きです。

中国ってすごすぎる

段ボール肉まん問題は捏造だったそうですね。いやはや、事実だったとしてもまったく不思議でない捏造ですなあ(笑)。しかも自分たちの国のことなのに、自分たちにとって著しく不名誉な内容でさえ捏造しますか。まあ日本でも視聴率のために事実の捏造をやっ…

年金問題って…

選挙が近づいてきたためか、外がやかましくなってきました。個人的には嫌いな時期です。街頭演説など聞くに耐えませんし、内容も非常におそまつなものが多いと感じます。ほんとに政治家がしゃべっているのかと耳を疑いたくなるものもいくつか。そのなかでも…

サブカルチャー、してますか?

以前のエントリで納豆菌の話が出たので思いつきました。血液培養のサブカルチャー、してますか?たとえば、CVCから酵母様真菌が検出されている患者さんがいたとします。C.parapsilosisなんかが典型でしょうか。とうぜん血液培養でも出てくることが予想されま…

へんな日常

自慢ではありませんが、私は耳が悪いです。低い音がとくに聞き取れません。機械を通して聞こえてくる音声も苦手です(だから電話が苦手です)。これはついさっきの出来事…… 「○×▷◇ですけど」 「はあ?(よく聞き取れなかった)……えっとすいません、どちらさ…

そんな日常

いきなりですが、タンスがカビました。いま私が住んでいるところはとんでもなく湿度の高いところで、ちょっとでも油断するといろんなものにカビが生えます。衣服やタンスなど云うにや及ぶ。越してきた当初はスリッパなどがあったのですが、しばらく使ってい…

こんな日常

日本一ソフトウェアのソフトってけっこう好きで、とくに目先に大きい用事がなくなったときやまったりとゲームをしたい気分のときなんかはひとりでよくやっています。ファンタジー色の強いソフトが多いのが特徴で、それがけっこう好きです。ファントムブレイ…

SIRの功罪(投与量について)

日本の投与量は米国と比べてとても少ないんだ、ということは再三にわたって書いていますが、この意見は日本ではなかなか受け入れてもらえないようです。典型的な反論は、「米国人と日本人の体格差」ですが、投与量が何倍も変わるほどの体格差があるのでしょ…

プロカルシトニンについて その2

いくつか調べて理解したことを列挙してみます。間違ったことも書いていると思うので、華麗にスルーして頂くのはいつもどおりです。 プロカルシトニンは全身性の感染症、すなわちsepsisで上昇する。 septic shockを持つ群では、spesis群に比べても有意に上昇…

入院患者に起こる下痢症

ちょっといつもの[感染症を叩く]カテゴリとは趣きが違うかもしれませんが……これは私が個人的に疑問に思っていることなのですが、入院患者の下痢便を培養検査にまわすことに、いったいどれほどの診断的価値があるのでしょうか。検査技師になりたての頃に先輩…

プロカルシトニンについて

メーカさんが売り込みにきていましたので、いい機会とばかりに容赦なく質問しました(いじめました)。まず保険点数ですね。DPC導入されていない施設はまだ出来高払いな訳で、これは詳しく押さえておきたいところです。導入してみたところとんでもないお荷物…

気付いたときには

気付いたときにはもう遅い。それが感染対策というものでございます。検査技師って、どうしても結果にばかり目がいきがちですよね。喀痰からK.pneumoniaeが出てきたら、肺炎桿菌による肺炎だ!と云いたくなる。こちら側からは患者さんが見えないので判断しよ…

MRSA腸炎は実在するか?(症例報告編)

よくネットに転がっている症例報告を読むのですが、MRSA腸炎に関する論文には疑問符がつくのが比較的多い気がします。日本の症例報告がメインですが(私は英語に弱いもので……)、そもそもMRSA腸炎って日本からしか報告がほとんどないんですよね。昔読んで疑…

増え行くPDF

日々着々と増え続けるPDFを管理するために、Yepを導入しました。PDFをiPhoto風に管理してくれるアプリケーションですが、非常に便利です。iPhotoも便利だと思いましたが、日々増えていくものをこうやって一元管理してくれると、ユーザにとっては大助かりです…

2012年までに後発薬2倍に

もと記事はここ参照。 政府が、新薬と有効成分は同じだが価格が安い後発(ジェネリック)医薬品の医療用での使用量を、2012年度までに現在の2倍程度にする目標を打ち出した。国の医療費負担を軽くする狙いだが、実現すれば、新薬市場が1兆円近い規模で…

ミイラ取りがミイラに(おもに下痢で)

下痢が……下痢がぁ……。・゚・(ノД`)・゚・。な、何があたったんだろう……何がいけなかったんだろう……き、気持ち悪ぃよう……ぐええ。さいわい吐くほどじゃないけど、悪化しそうな感じがたまりません。み、みぞおちのあたりがとんでもなく重たい……

Macの気になる噂

よく見ているMac噂系サイトで、気になる情報が。 ブラッシド・アルミニム・ボデーで、しかも厚さ、たったの2インチの、新型アイマクが、8月登場らすぃ とのこと。うーん、これがWWDC2007でジョブスが云ってた、「史上最高のMac」かなぁ。物欲が刺激されるけ…

敗血症診断

一般的に、血液培養は3セットを採取するのが原則です。前にも書いたかもしれませんが、敗血症時の血培の陽性率は 1セット……65% 2セット……80% 3セット……95% だと云われています。嫌気と好気の2本で1セット、それを3セット採るとなるとそれな…

難治性の伝染性膿痂疹

いわゆる"とびひ"というやつですが、原因菌の大半がS.aureusです。近年、このS.aureusの耐性化が進み、とびひからMRSAが分離されるようになりました。とうぜん難治性で、やっかいな感染症です。で、この難治性のとびひにFOMを使う、ってのを、私は知りません…

教科書的

小ネタ続きですが。細菌検査を専門にしている技師であれば、メジャな疾患の起炎菌はだいたい把握していると思います。あと、全身部分の常在菌や、検出菌の病原性ですね。ここらへんの知識を組み合わせて感受性試験をしたり、主治医に提案したりしていると思…