2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

coagulase agglutination test

一般的な検査室において、S.aureusとCNSを鑑別する際には、おそらくラテックス凝集試薬を用いてコアグラーゼの検出を試みるであろう。S.aureusが産生するコアグラーゼには二種類ある。 bound coagulase(clumping factor) 結合型コアグラーゼ。クランピング因…

Kaplan criteria(続)

病院におけるアウトブレイクにおいて、Kaplan criteriaが役に立つかどうかは不明である。そもそも三日以上の入院生活をしている患者にとって「便培養で有意な菌が検出されない」というのは「(ほぼ)当たり前」の話であり、院内環境のアウトブレイク検索に便…

Kaplan criteria

Norovirusのアウトブレイクを検出するための疫学的診断基準として、Kaplan criteriaという診断基準が存在する。1982年にKaplanが研究に基づいて提案した。その有用性はいまいちはっきりとはしないものの、ノロのアウトブレイクに際して検査が使えない(もし…

Notes from the Field: Emergence of New Norovirus Strain GII.4 Sydney — United States, 2012

今年のノロウィルスについての解説が、MMWRに出ています。知っていても臨床的なインパクトはありませんが、感染症loverにとっては面白い内容です。Notes from the Field: Emergence of New Norovirus Strain GII.4 Sydney — United States, 2012 私たちが一…

K1 β lactamase

決して年末年始にドツキあうβラクタマーゼではない。K.oxytocaが産生する染色体性βラクタマーゼ(chromosomal β lactamase)の一種である。白状すると、これを確定するための直接的な試験方法は、私にはわからない。同定菌名がK.oxytocaで、かつTAZ/PIPCが高…

D-zone test

S.aureus、もしくはS.lugdunensisのクリンダマイシンの誘導耐性(inducible Clindamycin Resistance)を検出するための試験である。平板寒天培地を用いたD^zone testはきわめて簡便であり、CLSIでは、EM耐性・CLDM感受性(もしくは中間)パターンを見たときに…

キノロンというカテゴライズ

尿路感染症や感染性胃腸炎にGRNXやMFLXを投薬するひとがいます。どうやら、「キノロンだから使える」と思っているヒトがいるようです。主に開業医さんに、このような誤解が多いように思います。 保険の審査をしている先生は、「最近の開業医は添付文書も見な…