感染症

デング熱

ある意味、予想通りの展開ですが。そういえば、忘れていたので、(案)の取れたデング熱診療マニュアルへのリンクを張っておきましょう。すっかり失念しておりました。 デング熱診療ガイドライン(第1版)について |報道発表資料|厚生労働省 デング熱診療ガ…

キノロンというカテゴライズ

尿路感染症や感染性胃腸炎にGRNXやMFLXを投薬するひとがいます。どうやら、「キノロンだから使える」と思っているヒトがいるようです。主に開業医さんに、このような誤解が多いように思います。 保険の審査をしている先生は、「最近の開業医は添付文書も見な…

血液培養陽性例

たまには検査技師らしく、血液培養の写真でも載せてみよう。 血液培養(+)事例のグラム染色でこんな像が見えたとき、何を考えるだろうか。何を考えたらよいのだろうか。次に何をやったら、よりよいのだろうか。 このグラム染色像は、Cryptococcusであった。見…

ノロウィルス胃腸炎

ノロの感染対策の基本はとてもシンプルであり、 嘔吐、下痢への暴露を避ける 患者は個室隔離し、接触予防策の下に置く である。にも関わらず、これだけあちこちの施設内で集団発生しているのを見れば、このウィルスを制御することがいかに難しいかということ…

NoroVirus detection kit

ノロウィルスが大流行である。 このノロウィルス、とても意外なことに、いまだ人工増殖に成功していない。そのため、他のウィルスと比較して、著しく研究が遅れている。人工培養技術を要しないゲノム解析はすでに終了しており、それによってノロウィルスは5…

coagulase agglutination test

ごく一般的な市中の病院であれば、おそらくS.aureusの同定はコアグラーゼの産生性に大きく依存しているであろうと思われる。生化学的性状よ りも簡便で、即日判定できるため、扱いやすいからだ。事実、グラム染色でブドウ球菌様である、カタラーゼ試験陽性、…

レバ刺しの規制について

正直、食べないからどうとも思いませんケド(苦笑)。好きな人にとっては死活問題なのかもしれませんね。レバ刺し、そんなにおいしいものなんでしょうか。私には(食べないので)よくわかりません。この職業についてからは職業病というやつで、あの手の生も…

加算のコンサルテーション

10病院も抱えているのに、(検査関係の)コンサルテーションがまったくありません。まったくもって、予想通りデス。なぜなら、ウチが抱えている病院は、ほとんどが「細菌検査が外注だから」。というわけで、検査技術関係の質問なんかでようもなく、アンチバ…

薬剤耐性菌の感染対策

何に対して、どこまで実施するのか?VREが出たら病棟の保菌者検索というのは施設の医療スタッフの誰もが納得してくれると思うのですが、困るのはグラム陰性桿菌。常日頃、「検出されすぎて」感覚が麻痺している感すらあります。ESBLなんか日常茶飯事、外来か…

感染管理カンファ

とりあえず、一回目を実施しました。ウチが抱えている病院数は非常に多く(たぶん多いと思う)、どこの勉強会でもそうですが、人数が多くなればなるほど発言は控えめになるようです。しばらく場の雰囲気を観察していて、どうも自発的な発言が望めそうにない…

広域抗菌薬許可制の是非

薬剤部が働かないから、私(臨床検査技師)が仕組みの部分まで踏み込んで考えないといけなくなってきているのですがががが。薬剤に関するところくらい働きやがれ、何のために薬剤のプロですって名乗ってると思っt……失礼しました。さて、感染防止対策加算を取…

自動機器のESBL判定

もとからそれほど機械をアテにはしていないのですが、ときどき出てくるのが「ESBL誤判定」。さいきん、耐性菌の頻度が増したせいか、誤判定も頻々と見るようになってきました。 ESBL判定されたE.coli。何かがおかしい。DDSTのディスクは、てっぺんから右回り…

感染防止対策加算について(続編)

迷える子羊がいっぱいいます。かくいう私も迷える子羊ですが。もともとそれほどアクセスのないブログですが、アクセスログを見るかぎり、一日だいたい100アクセスくらいのようです。そのほとんどが感染防止対策加算に関係するキィワードで飛んでくるようで、…

感染防止対策加算について

久しぶりにアクセスログを取ってみたら、感染防止対策加算関係で検索してくる人がごろごろいるようです。いやー、まあ、みんな興味はあるけど「取れない」「出来ない」「何やったらいいのかわからない」で、頭抱えてもだえているのかと思いますね。かくいう…

感染症管理加算と開業医と適正使用

ときおり見かけるのが、キノロンに関する不適切な誤解。投与量の話ではありません。さすがに投与量については「一日一回」になりましたし、製剤も出てきたのでこれから分割投与はほぼ絶滅すると思いますが、新しく出てきた薬剤、たとえばGRNXなどは、グラム…

いまさらな肝炎ウィルス

どうにもウィルスの類いは苦手で、針刺し事故時の検査の意味がよく理解できていませんでした。必要だったので、簡単に勉強しました。使わない知識は忘れていきますね。 HBc抗原 ウィルスのコアの部分。通常、殻(サーフィス)によって覆われており、簡単に検…

ノロウィルス検査の検体搬送

正直、困ってます。小児科からノロ検査対応してくれといわれて検討中ですが、想定される感染の危険性の高さから、検体搬送をどうやったらいいのか、考えあぐねています。空気感染の可能性がある、しかも100個取り込んだだけで感染する可能性があるようなウィ…

納得の血液培養陽性率

血液培養1セットのみの感度はだいたい65%。これはわりと有名な数字だと思います。知らない人は、「え、そんなに数字悪いの!?」というリアクションが帰ってくることが多いですが、そもそも菌がいるときに血液培養を実施したら必ず陽性になると思い込ん…

血液培養陽性率の怪

いろいろ数字をいじくり回してみましたが、だんだんくだらない数字遊びのような気がしてきて、虚しくなってきました。さて、ここで考えてみましょう。血液培養を二セット採取すると陽性率が上昇するのは周知の事実として扱われています。というか、まあ、周…

診療報酬改定の詳細が公表

というわけで、つい先日コメント欄で教えていただいたとおり(高山和郎先生ありがとうございます!)、今年の診療報酬改定の詳細が公表されました(ココ!)。最大の注目株、ウチの医事課長さんに「これ以外に今年は見るものがない」とまで云わしめた(冗談…

血液培養2セット採取の怪(怪なのはウチの病院)

血液培養2セット採取したら陽性率が上がる、というのは、常識的な結果。ところが、2セット採取しても陽性率に有意差が、で・な・い(爆)いやー、参ったなあ。当然出るもんだと思ってたのに、なんでだろう。検定ミスってんのかなあ。結果はプラスマイナス…

感染対策を要する菌

ESBLはもちろん感染対策を要する菌。これはたぶん、みんなの共通認識だと思う。でも、「ESBLだから感染対策を要する」という認識も間違いではないとは思うのだが、「第三世代が効かなくなった腸内細菌」という点で、すべての第三世代耐性腸内細菌は感染対策…

呆れる他にない

服薬指導がお金になるから、感染対策活動に割く時間はないと云われた。思わず声が出そうになったが、ぐっと我慢する。これが薬剤師の本音であるなら情けないというより他にないし、もうこうなったら笑うしかないというものだ。世のすべての薬剤師がこうであ…

ノロが新設されとった

ノロウィルスに点数がついとった(´ω`)・・・いやさ、ノロ検査したってさ、予後に影響するわけでもないしさ、治療法が変わるわけでもないしさ、やったってこう、燃えるもんがないじゃん、検査技師として。季節になったら、またノロかよ畜生(゚Д゚)クワッとか云っ…

新設された感染防止対策加算について2

というわけで、思っていたより早く具体的な点数が出てきました。びっくりの結果です。資料はここ。前回の感染防止対策加算についてのエントリはここ。せいぜい250点くらいだと思っていたのに、蓋を開けてみたらなんと400点ついていました。びっくりです。そ…

掃除のしやすい設備

感染対策上、重要な設備に「便器」があります。こいつが床から生えているのか、壁から生えているのかで大違い。一般家庭に壁から生えている便器なんてないと思いますので、おそらく「壁から生えている便器」というものがどういうものなのか、写真なり実物な…

ディスクはどのくらい劣化するか?

ルチンで悩ましいのが、薬剤感受性試験に用いるディスクの管理かなと思います。自動分析機がある施設はほとんどディスク法を使わないのではないかと思いますが、それでもいくつかのシーンでディスク法を使って試験することはあるかと思います。Haemophilusと…

CDIについて

いま(個人的に)もっとも問題なのが、「新しく出てきたCDトキシン検査キット」について。GDHが取れるようになっているんですが、扱いかねています。これ、みんなどうやって運用しているんだろう?この結果をちゃんと解釈できる人は問題ないと思うんだけど、…

新設された感染防止対策加算について

資料についてはここ。このエントリは、久しぶりに文章を書く私が個人で行った推測と調べた結果、覚え書きチックに物したものです。信じ込んでしまわないように!というわけで。 もう知っているひとはとうの昔に知っている、「感染防止対策加算」の話です。院…

CPZ/SBTの謎(まとめ)

twitter上で繰り広げられた、薬剤師さんたちとの会話のまとめ。ことの発端は、何気なくつぶやいた さいきん、ようやくCPZ/SBTにSBTがひっついている、おそらく正しいであろう理由が理解できた。というか、いままで知らなかったのかという感じでわりと恥ずか…