声を大にして云いたい。
おいおまえら、腸球菌ナメんなヨ？
というか、なぜ医者というのは腸球菌にセファロスポリンが効かないのだということを理解してくれないのか。胆汁だろうとどこだろうと、腸球菌にはセフェムは効かないと思ってください。ガイドラインには胆嚢感染にはCPZ/SBTと記載されているようですが、それでも腸球菌にセフェムは効きません。実際に濃縮されて超高濃度になったら効くのかもしれないが、人間の体内で実現出来る濃度なんてたかが知れている。無駄にセフェムを垂れ流しにするよりも、抗菌薬をやめるか、別のものに変えるか、どちらかにしてください、まじで。
すべての腸球菌には、医者が大好きなセフェム剤がほとんど効かない。もちろん例外はあって、E.faecalisにはCZOPが効いたりするし、CFPMも高濃度にしたら効いてしまったりする。ただこれはあくまでも例外であって、意味のある例外とはとても云えない。つまり、適当に漫然と抗菌薬を使うと、なんとなく残ってくる菌だったりする。Enterococciは、感染症についてじつに考えさせてくれる、ありがたーい菌なのである。
E.faecalisにはABPCが特効薬的に効くが、E.faeciumには絶望的なくらい薬が効かない。ところが、この菌が検出されたからといってすぐに治療対象になるかと云えば、そんなことはない。感染部位と基礎疾患にもよるだろうが、そこらへんをきちんと見極めて薬を投与してほしいなと思う今日この頃である。
ああ、それと、血培は２セット採ってください。もうほんとお願い。１セットでEnterococciが検出されて、コンタミですか、とか私に聞かれても困っちゃいますんで。
