経口用カルバペネムの意義

二年目くらいの研修医と抗生剤の話しをするのが楽しいです。医者も二年目くらいになると素質が表に出てくるのか、薬の使い方に何の疑問も持たない人と、使い方に自分が納得できる理由を求める人と、二種類出てくるようですね。後者と話しをしているのがとても面白いです。STが意外に市中肺炎に使えるんだ、みたいな話しをしていると、ちょっと考えた後に「あ、ほんとだ」みたいな反応が返ってくると、おお、勉強しているなあ、と思ったりします。まあ外来で実践するのは怖いでしょうけど、意外に使えるんですよ、ST合剤。

そういえば、経口のカルバペネム剤があるらしいけど、恐ろしいコンセプトの薬ですね。経口でカルバペネムを使わなければならないシチュエーションって、ほとんどないのではないかと思います。まともな薬の使い方をしている医者ばかりなら、こんな薬が売れるはずがないんですが、商売成り立つってことは、やっぱり使っちゃう医者がいるってことでしょうか。使わないといけないシチュエーションはあるかと思いますが、なるたけ使わないことが耐性菌マネージメントの観点からは重要です。

まあ問答無用でカルバペネムを使わないといけないくらいの重症例には、おとなしく注射用を使っとけ、という話しでした(ほんとか?)。