偽膜性腸炎のときの抗生剤の使い方について。

現状を変えたくないというひとがいっぱいいるんだなと認識しました。提案者は私なのでドラフトも私が書きましたが、うーん、予想通りいろんなところから反論が湧いてきて、苦笑しております。まあかなり攻撃的なことを書いたから、むべなるかな、というところです。

偽膜性腸炎のときに、第一選択薬にフラジールを使いませんか、という、至極もっともな提案なんですが、意外に方々から反論があり、少しだけ驚いています。これだけ当たり前のことが当たり前じゃないんだ、という驚きです。VREの発生を警戒しているくせに、その一番の原因であろうVCM経口の使用について何も対策を講じないのは、ものすごく矛盾していると思います。不思議ですね。そういえば、偽膜性腸炎の治療薬はVCM経口しか適応がありませんよね。フラジールには、偽膜性腸炎に対する適応がありません。政策からしてとてもイケてませんね。医療費を抑制したいなんて云っているくせに、薬価がVCM経口の100分の1のフラジールに適応がないなんて、ほんとに対策する気があるのかしらん。

どうもあのドラフトが攻撃的すぎたのかなー、とか思ったりもしますが……よく「ウチにはウチのやり方がある」などと云われますが、「ウチのやり方」とやらが正しいことを(少なくとも、何かしらの有用性があることを)示してから吠えやがれ、でございます。プラスとマイナスの二元論でしか話しを出来ない方々と議論にもならない議論をしていると、なにやら頭が痛くなってきますね……もっと建設的な話しをしましょうよぅ。

第一、私はべつにこの抗生剤の使い方を強制しようなどと考えていないわけで、なにやら話しがおかしげな方向に流れておるような気がしてならないのですよ。正しくメリットのある方法は、別に強制なんかしなくても、普通に定着するものです。定着しなければ、身近なところから少しずつ、こんな指針がICCから出てたよね、という形で籠絡していけばいいだけです。籠絡出来るかどうかは別問題。それで出来なければそれだけのことではありませんか?教育なんて幻想です。自分には教育出来る、正しいことを教えることが出来るなんて考えるから、変なことになってくる。勉強したいやつだけ勉強すればよい。より正しいことを学びたいと思うヤツだけ、より正しくあれるように勉強したらよい。そういうものではないでしょうか。

勉強したいと思うヤツにだけ、適切な形で資料を提示し、道を示してあげること。強いて云えば、それが教育なんてもんじゃないかなあと思う今日この頃です。