裁量労働について思うこと

働き方改革の一環として裁量労働を導入することについては、あまり効果が上がらないであろうと予想。

モノづくりを基本とする生産業には、あまり向いてないのではないかと思う。いまでも裁量労働制は一部の業種に適用されているが、おおむね「形のない価値をつくる産業」もしくは「複雑なひとつのものを作り上げていく産業」に限定されている。これを単純なモノづくりに適用するのは、なかなか難しいのではないか。ホワイトカラー的な一部の業種に限って拡大するなら、まだわからないでもないけど。

あと、容易に転職できる環境を整えることで、まっとうに裁量労働が運用される土壌をつくる必要性もある。この職場はクソだと思ったら、即転職が可能であることはだいじなことだ。この「クソだと思ったら即転職」ということに抵抗がある世代がきれいさっぱりいなくなってしばらくたったら、裁量労働制はうまく機能するかもしれないとか思ったりもする。いずれにしても、何十年も先の話し。

病院業務自体は、サマータイム裁量労働とは無縁だ。ただ、私の残業の一部は、夕方に検査オーダを出す医師と、日勤帯に検体を取り忘れた看護師によって発生している。そうはいっても、夕方でなければオーダだせねーもんよ、という意見もあるだろうが、そーゆー構造的な欠陥をシステマティックに解決することこそ働き方改革なんじゃねーすか、とか思う今日この頃。