ノロウィルスに検査は不要である
ノロウィルスに検査は不要である。明確な理由がみっつある。
- 診断しても、治療法がない。
- 従って、ノロと診断されようが、感染性胃腸炎と診断されようが、やることが変わらない。
- 対処方法が変わらない。
- ノロと診断されようが、感染性胃腸炎と診断されようが、感染対策上、やることが変わらない
従って、ノロの検査をしようがしまいが、やることなすこと、何も変化が起こらない。こんな検査はやるだけ無駄である。
例外がひとつだけある。
食品関係に勤務する労働者が、ノロウィルス感染症を発症した場合である。この場合、治療方法はないが、社会的な対処方法が一般人と大きく異なる。従って、このような場合には、検査をする意味があるかもしれない。
最後のひとつを述べよう。
- 検査の感度が悪く、結果が陰性であっても、それが本当に陰性であると確信が持てない。
- いわゆる偽陰性である。ほんとうは陽性であるのに、陰性と判定されてしまうことがある。従って、陽性と出れば信用できるが、陰性であっても、そのひとがノロではないと証明できない。
治療法がない、対象方法が変わらない、検査感度が悪い、以上みっつの理由により、ノロウィルス検査を積極的に行う医学的理由に乏しい。それでもやりたいひとは、実費でやるという手段が残されているが、混合診療になるので、その診療に関わった診療行為すべてが実費対象になる。お勧めできない。
いまだに、ノロの検査が保険適用されないから流行がおこると信じているひとがいるのは驚きである。検査をしてもしなくても、何も変わらないのだから、検査ができるようになったところで何もかわらない。
検査結果が出る前に、ノロだと思って対処するのがもっとも安全である。