企業の絡んだ研究

企業が絡むとろくなことがない、というのが医療業界の常で、研究分野も例外ではありません。困ったことに、企業さんがスポンサーになると、バイアスのかかった研究が世に出てくることもあるようです。

米国では日常茶飯事のようですが(企業がスポンサーの研究は、スポンサー企業に対して不利な結果が出ると、論文の発表をやめるように圧力がかかるらしいです)、日本でも「間違ってはいないけど、間違いすれすれ」のような情報はちょこちょこ見かけます。企業が絡んだデータは信用していけないと、論文を読むときはいつも覚悟しています。似たようなデータが三件あってはじめて信用することが出来ると私は思っています。

ところで、抗菌薬のスペクトル早見表みたいな表を製薬会社さんが持ってくることがありますが、あれもなかなか信用ならない、危険なものであることがあります。どこのものだとは云いませんが、Enterococciに対してCEPMやCTXが「適応はないけど効く」みたいなことが書いてあったりして、吹き出したことがあります。いまさらですが、体内で実現出来る常識的な濃度ではまったく効きません。たまたま検査室に来たDrが、壁に貼ってあったそれを見つけて議論になったこともあります。

でもDrの情報源ってそういう企業のMRさんだったりするので、困ったことになったりもします。「だってMRが効くっていったもん」なんて云われた日には、どうやって反論したものかとなかば諦めにも似た気持ちなったりすることも。それが悪いとは云いませんが(半分くらいは云ってますが)、検査技師もあまり間違って主張はしないはずなので、出来れば双方の云うことを効いて欲しいなぁと思います。

けっこう頻繁に。