基本的な技術

小さな技術の積み重ねが、検査の質を保証する。これはどんなことでもそうだと思う。
きょうは比較的時間があったので、患者の検査値を診て病態を推測しながらグラム染色を見ていました。グラム染色も、じっくり染色像を見れば、いろんなことを教えてくれます。WBCの種類、好中球の核の様子、染色されている背景の物質など。関節炎なんかでときに見る結晶などは、その最たるものかもしれません。CPPD結晶を見つければ、ほぼ偽通風で確定ですから。

私はいままで緑膿菌の莢膜なんて見えないものだと思い込んでいました。教科書的な知識で、現場では役に立たないものだ、って。そんなことなかったんですね。ちゃんと見えました。背景に粘液糸が多く染色されており、多数見える白血球にはリンパ球が多めに、あと単球がちらほら。慢性の感染症だと思いました。で、グラム陰性菌が見える。顕微鏡のコントラストをあげてやると、ちゃんと莢膜って見えるんですね。びまん性汎細気管支炎とか、あそこらへんの病態を思い浮かべました。きょうは面白そうな尿培養がなかったのですが、尿も円柱や結晶がありますし、染色像がいろいろ語ってくれると思います。

そういえば、顕微鏡のコントラストはいつも最低(?)で見ていました。いままでまるっきり疑問にも思わなかった。だって、はじめて職場で顕微鏡見たときに、そう教わったんだもの……反省。