FRPMって……

ちょっと調べてわからなかったので、ここに書いてみよう。
ファロペネム(FRPM)という薬がある。商品名はファロム錠。小児用にドライシロップもあり、中耳炎や口腔周囲の膿瘍なんかに適用がある抗生物質だ。非常にブロードなスペクトルが特徴で、βラクタマーゼにも安定している。副作用も少ないので、かなり使いやすい薬ではある。

で、何がわからなかったのかというと、このファロペネム、先にも書いたとおり経口剤なのだが、もしかしたらカルバペネムあたりと交差耐性があるんじゃないかなあ、ということ。スペクトルがかなり似ているし、薬剤そのものの構造も似ている。薬物動態もかなり似ているのだ。こういう薬があると、外来でどんどん耐性化が進んでしまう。H.influenzaeやS.pneumoniaeは小児に髄膜炎を起こす菌なので、カルバペネムが使えなくなるということはとても恐ろしいことだ。

甘いシロップですべての感染症が治療出来るのは理想だけど、世の中そんなに都合良く出来ていない。個人的な意見としては、私はブロードな飲み薬はほとんどの感染症治療おいて必要ないのではないかと思っているので、こういう薬が普及するのはデメリットの方が大きいと思っている。もしFRPMにカルバペネムとの交差耐性があったとしたら、そのせいでカルバペネムが効かなくなるのはとても恐ろしいことだと思う。