サルモネラについて

云わずと知れた食中毒の原因菌。まれに敗血症の原因になります。

一般的に云って、チフスとパラチフス以外のサルモネラは抗菌剤治療の対象にはなりません。ただし、高熱が出ている場合は別です。この場合は敗血症を起こしている可能性があり、血液培養を採った上*1で、適切な抗菌剤を投与する必要があります。

まず注意しなければならないのが、第1世代セフェム、第2世代セフェムはすべて無効だということ。加えて、アミノグリコシドも臨床的に無効です。病原性を発揮するサルモネラは細胞内寄生性であり、それゆえに臨床的に無効になるようです。この細胞内寄生性は、サルモネラの病原性に深く関わっています。技師サイドでは、MIC上は感受性に見えても、報告は耐性としなければならないところに注意しなければなりません。

積極的に治療する場合は、キノロンが適用です。キノロンに低感受性の場合は、第3世代セフェムが適用になります。CTRXも推奨されているようです。クロラムフェニコールも使えますが、代替薬がある以上、最後の手段でしょう。諸外国ではCP、AMPC、ST耐性菌も存在し、キノロン耐性菌も散見されるようです。

*1:尿中にも出てくることがあるので、症状があれば尿培養もいいかも