透明とは何ですか

透明である状態を考えてみよう。ひとは光を網膜上で結像させて物を見ている。でも、たとえばテーブルが見えたとしてもテーブルが光を発しているわけではないので、蛍光灯などの光がテーブルに反射して、私たちはその光を見ているということになる。ということは、透明であるということは、完全に光を透過させている状態であるといえる。反射光がまったくなければ、ひとはその物体を見ることが出来ない。

昔から透明人間ということばがあるが、透明人間は網膜上に光を結像出来ない*1ので、まわりの景色を見ることが出来ないはずだ。よって透明人間になって不埒なことを考えたとしても、たぶん実現することはない。透明人間の視界は、おそらく真っ暗な世界になるではないだろうか。

なぜとつぜんこんなことを書いたかというと、MORI LOG ACADEMY 3月29日に、6)透明とは何ですか、と書かれていたからだ。単純な疑問ほど、答えるのは難しい。

*1:レンズで光がわずかにでも屈折したら、それでわかってしまうだろう