もしドラを読んだよ

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」、iPadの電子書籍で売られていたので購入。

最初から最後まで「電子書籍」という形で通して読んだのは始めてでしたが、わりとするする読めますね。眼が疲れるということもあまりありません。まあこれは私が比較的「モニタ」に慣れているからで、個人差が大きい部分かも知れませんね。アプリケーションとしては、文字の大きさも調節できますし、レスポンスも悪くないです。いくつか書籍をバラしてスキャンして電子化してみましたが、コミックサイズくらいまでが電子書籍としては適度な大きさのようです。総合的に見て、電子書籍としては悪くない。

ところが……内容が、よくない、ん、だよなあ……

するすると読めるのは間違いないんですが、その分、読み手が頭を使うこともありません。だからこそするする読めるんですが、あくまでも「頭使わなくていいから」するする読めるんであって、この手の本としちゃ、あまり誉めるべき点ではないように思えます。そして不思議なことに、主人公はほとんど何も迷わない。失敗しない。試行錯誤しない。考えるときはドラッカーに、必ずドラッカーに返っちゃう。てめえの頭をほとんど使おうとしない。自分の実践しようとしている理論を、自分の頭で吟味する過程がない。従って、「迷ったときには聖書に返れ」的な、究極布教本だとも見なせます。もともとそういう本なのかもしれませんが、悪く云ってしまえば、「信じなさい。さればあなたは救われる」的本です(別に宗教を否定するものではありませんが、教育本として頭を使わないのはどーよというお話です)。どのような目的で出版された本かわかりませんが(ほんとにわからない)、少なくとも、ドラッカーを勉強したい人間が手に取る本ではないでしょう。

あれだ、うん、ほら、進○ゼミの漫画あるじゃん?アレかなアレ。