麻疹の話

ここんところ、ニュースでマシンの話をよく聞きます。ワクチンも不足しているとか何とか。たしか私がチェックした時点で風疹麻疹の混合ワクチンが34万本、麻疹単体のワクチンが11万本、在庫があるという話でした。日本で何割の人が麻疹のワクチンを摂取していないのかわからないので判断できませんが、何か起きてから動き出すのが日本人の悪いところでしょう。

麻疹はいまのところ定点把握で管理されています。つまり、全体の正確な数字の把握がされていません。別に必ず全数把握をしていなければならない感染症かといえば疑問ですが、流行の予兆があったわけですし、少なくとも流行が収まるまでは全数把握をするべきだったかもしれません(結果論ですけど)。困ったことに、以前にも書きましたが日本は「麻疹を輸出する国」として世界の非難を浴びていますので、この「症例数もよく把握していない」という事態は(客観的に見て)ちょっと情けないと思います。世界的に見れば、日本の保健行政の脆弱性、と捉えられてもしかたがないでしょう。これを機会に、Elimination宣言が出せるくらいに麻疹を根絶できたらいいですね。

外来でも咳、発熱で受診する患者は多いと思います。修飾麻疹などの問題もありますので、病院の苦悩は深いと思います。空気感染するウィルスに対する感染対策はとても難しい。