カルバペネムの投与法

カルバペネムといえば、云わずと知れた超広域βラクタム剤。投与すれば何にでも効いてしまうため、とりあえずエンピリックに投与する医師が後を絶ちません。重症で感染臓器の検索をしている暇がない場合などに有用な薬ですが、たまに間違った処方が見受けられます。

βラクタム剤は基本的に時間依存性の薬剤なので、MIC以上の血中濃度がどれだけ保たれているか、が薬効を左右します。たとえば、ここで4アンプルのMEPMがあったとすると、この4アンプルを2アンプルずつ12時間おきに投与するよりも、1アンプルずつ6時間おきに投与する方が薬効は高くなります。MICが高い菌を相手にするときは、ほぼ例外なく大容量を頻回投与するのが原則です。めんどくさがってはいけません。

中途半端に投与すると、耐性菌を選択してしまいます。中途半端は患者にも医師にも利益がありませんので、やるときにはガツンといきましょう。