へそまがりな検査技師

タミフル副作用の続報です。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070329ik05.htm

これも詳細がよくわからないのでコメントしづらいんですが、救急とかでインフルエンザを見る機会がある人たちが知っていてほしいことがひとつ。

じつはインフルエンザ発症初期にキットを使って検査すると、偽陰性を呈することがあります。

つまり真夜中にインフルエンザ発症初期の人が診察に来て、症状からインフルエンザ疑いでいそいで検査。でも陰性でした。こーゆーパターンがありえます。翌朝もう一度検査し直してみてください。陽性に出ることがあります。

つ・ま・り。

極論、夜中に眠たい目をこすってインフルエンザ検査をする必要性はほとんどありません。だから症状からインフルエンザが疑わしい場合、脊椎反射でタミフルを処方してしまうというのもテではあります。キットで陰性だったから普通の風邪だね、というのは、じつは絶対正しいとは云い切れないわけです。ちまたで囁かれるタミフル異常行動が恐ろしい人は、ドクターと相談してタミフルの処方を断りましょう。タミフルを飲まなくったって、健常人なら数日苦しむ時間が延びるだけです。死にゃーしませんて。

このニュースのおかしいところは、インフルエンザにしか適用のないタミフルを、なぜ普通の風邪に処方したのか、というところです。これはおかしいどころの騒ぎではなく、まったく無駄、かつ危険な医療ということになります。副作用のない薬は存在しませんので、こういった行動は慎まれるべきです。もちろん記事の書き方が悪く、風邪と診断されたのではなく、インフルエンザ疑い、と診断されたのかもしれませんが。

風邪で処方される抗生剤には意味がありません。健常人はほとんど風邪による二次感染を起こしませんので、まったく無意味な処方になります。あれは診察した医師の精神安定剤でしかありません。