血液培養陽性率の怪

いろいろ数字をいじくり回してみましたが、だんだんくだらない数字遊びのような気がしてきて、虚しくなってきました。

さて、ここで考えてみましょう。

血液培養を二セット採取すると陽性率が上昇するのは周知の事実として扱われています。というか、まあ、周知の事実です。この2セット採取における「陽性」とは、血液培養2セットのうち1セットでも陽性に上がってきたら、その血液培養施行について「陽性」とする、という定義になります。文献では、これを「血液培養施行エピソード」と表現していることが多いようです。どの間隔で採取された血液培養を1エピソードとするかは、考える必要があると思います(このあたりが数字遊びっぽい)。

少し考えたら当たり前のように思えてくるのですが、複数採取している血液培養のうち、1セットでも陽性になったらそのエピソードは陽性です。1エピソードの期間を長くすればするほど、集計上、陽性と判定される数は多くなり、エピソード数は減るので、見かけ上の陽性率は上がるに決まっています。こうやって算出された陽性率、果たして臨床的な成果を反映していると云えるのでしょうか?

……一ヶ月の陽性エピソード数を血液培養検査施行エピソード数で割って算出する「陽性率」は、簡単に出せるデータではあるのですが、なんというか、あまり意味のないデータのような気がしてきました。1セット採取された血液培養の陽性率と、2セット以上採取された血液培養の陽性率を比べてみると、明らかに有意差は出ます。まあ、当たり前です(出ないと困る)。しかし、なんだかもやもやしたものが残ってしまいすっきりしない今日この頃です。

オチはつきません(爆)。書いてる本人が悩んでるんだもの(笑)。