カルバペネム、だけ?

perlでデータを処理していて気がついたのですが、最近ウチの病院でおかしなパターンの耐性緑膿菌がいるようです。やっぱりデータは適切に処理してやらないとダメですね。感受性のおかしなパターンの菌がいることには気がついていましたが、けっこうな数出現していたことに気がつかされました。

カルバペネムだけ耐性。最初はテクニカルエラーかと思ったんですが、改めてデータを取ってみると、ほかにもちょこちょこと見られるようです。これは、コワい。正直な話、とてもコワいことです。カルバペネムが効かないからって別にそんなに大騒ぎすることでもないんですが(十分に大事ですが)、「カルバペネムだけ」耐性というこのパターンは、じつは「カルバペネム使い過ぎ」という現実を反映してはいないだろうかと思うわけです。

別に緑膿菌を叩くためにカルバペネムを使いすぎたからこんなことになっているわけではないと考えます。要するに、緑膿菌は他の菌の治療に巻き込まれたわけです。緑膿菌はあらゆる抗生剤に対して速やかに耐性を獲得する危険な菌で、不適切な量の抗生剤を長期間使い続けると、すぐに耐性化します(2weekくらい?)。カルバペネムを使わなければならない感染症もありますし、とても便利な薬剤ですが、de-esalation出来るときはde-escalationして、カルバペネムを使うことを止めるべきです。不必要に緑膿菌を巻き込むな、は鉄則だと思います。このデータはもう少し手入れして、ICTに提出しようかと思案中です。

カルバペネムを適切に使うことは、耐性菌を抑制するためには必要不可欠なことなんだなあと思わされた次第。