尿路感染症

混濁尿のグラム染色標本です。

まず、多核の白血球がひたすら見えます。で、そのまわりにグラム陰性の桿菌。写真では判別しづらいですが、グラム陰性桿菌のまわりが少し抜けて染色されています。細長い菌体に端っこが丸まって見えるので、とりあえずこれ見たら緑膿菌を想像しますね。患者背景は、入院患者であること、尿道カテーテルが留置されていたこと以外はまったく不明です(調べてない)。このときは、CTMが投与されていたようです。

培養結果

培養の結果は、やはり緑膿菌でした。多核の白血球が多く見えるのでアクティブな感染かなとは思います。CTMが投与されていたのですが、緑膿菌に対しては無効です。外来の単純性膀胱炎疑いの症例に対してはCTMで十分ですが、入院患者の混濁尿に対して投与するにはすこし難があります。カテーテルが留置されている症例なので、尿路感染症の症状があるかどうかも当然問題になりますが、まずカテーテルを交換、ないし抜去する必要があるかと思います。治療するならなおさらでしょう。