ヘパリンロックの続き

さて、ちゃんとアカデミック(?)なことを書いたので、どうでもいい付け足しでも。

ヘパリンロックですけど、研究結果からはヘパリン入り生食でも普通の生食でもカテーテルの開通性は変わらず、静脈炎の発生も変わらないのということでした。つまり、どうしてもヘパリンでないといけない理由が乏しいということで、生食ロックでもいいんじゃないかという理屈ですね。血液サンプルを採取するのでなければ、生食ロックでもいいだろうという結論になります。

ところで、カテーテルを液体で満たして血液の逆流を防ぐ、というのがいわゆるカテーテルロックなわけですので、カテーテルの断面では血液と生食が混じっているわけですよね。だからヘパリンでないと血液が固まるんじゃないかという懸念があって、ヘパリンロックが使われていたわけです。でも実際は、研究結果によると、生食でもカテーテルの開存がおびやかされるほどの血栓が形成されるわけではなかった、と。でも、手法→結果だけがわかっている状態で納得してはいけないわけで、どの程度の液体が流入したら血栓が形成されるのか、そのあたりが分かれば面白いんですけどねえ。それとも、もうそういう研究があるのかな。流体力学かな、面白いと思うけど。

EBMって面白いんですけど、おおむね手法→結果しか明らかにしてくれない。乱暴なものになると、地震が起きる前に神棚が落ちた、だから地震が起きたんだ、みたいなことになる。途中の理屈が欠落した論理って怖いと思うんですけどねえ。