食中毒ウォッチャー

さいきんGoogle newsの使い方を覚えた(ような気がする)。検索キィを「食中毒」にして、気がついたときに更新するのだ。アラート設定してもいいのだが、「食中毒」なんて単純な単語だと、けっこう頻繁にひっかかるのであまりよくないように思う。手動で更新してやると、新しいニュースが入ってきたときにちょっと楽しかったりする。

で、こうやってみると、いろんなニュースが入ってくるのだ。これはとても面白い。事件として多いのは、何と云ってもCampylobacterだ(カンピロバクターと表記されていることが圧倒的に多い)。調理実習の親子丼にあたったとか、何とも不幸な話しもあるが、食中毒の恐ろしさを体験するにはいい機会かもしれない。仕出し弁当のサルモネラにあたったとかもあった。面白いところで、あじさいの葉っぱ、というのもあって、これは胃酸と反応して青酸化合物を作るそうな。興味深い記事である。

ところで、調理実習の親子丼にあたった、ということは、やはり持参した食材が汚染されていた、ということなんだろう。親子丼なので、鶏肉だ。じつは生焼けの鶏肉というのは高率にCampyloに汚染されているのだ、という報告を読んだことがあるが、これはだから、食材そのものが汚染されていたのだろう。店で食べたものからCampyloが出たりすると、店が不衛生だね、で終わってしまうのだが、ちょっと考えてみると、店で出る食中毒だって、もとは食品が汚染されているから起きるわけだ。概して食中毒なんてそんなものなのだが、別に鶏肉そのものにCampylobacterが住み着いているわけではない。鶏肉は無菌である。もともとは筋肉組織なのだから当然だ。では、Campylobacterはどこにいるのか?じつは鶏の腸管内に住み着いているのである。鶏をわけたときに、へまをして腸管の中身がぶちまけられて、それが鶏肉を汚染して、汚染された鶏肉が消費者に届けられている、というわけだ。

流通経路が大規模な場合、まず間違いなくその汚染には気がつかない。メタミドホスみたいなありえない物質ならともかく、Campyloみたいな食中毒菌が広範囲に散発事例として検出されたところで、その汚染になんか気がつきっこない。これを考えると、なんだか空恐ろしいものを感じるのである。

だからどうしたという話しではないのだが、いやあ、恐ろしいなあという話し。食中毒って毎日どこかで起こっているんだなあ、という話し。