パイレーツオブカリビアン3

ようやく見てきましたよ、パイレーツオブカリビアン3。今月は先週末しかまとまった自由時間が取れそうになかったので、気合いを振り絞って見てきました。おかげで腕一本持ち上げる気力もないくらい、疲労しております(これは比喩ではなく、ほんとに疲労して気分が悪いのです。この時期は珍しいことではないのですが……)。

とても面白かったです。前作、前前作を見ているなら、とりあえず見ておいても差し支えないでしょう。でも、ゴシックなファンタジーの感覚を理解出来ないひとには、ちょっと合わないかもしれませんね。その意味では、1、2、3とファンタジー色が強くなってきています。私は一作目がいちばん好みで、DVDも買いました。3になると、もはや純粋な海賊映画とは云えないでしょう。その点は見ていて残念でした。

というか、どちらかというと、3は悪い点の方が目につくんですよね……困ったことに。ここらへんが、連作の難しいところなのかもしれません。

若干ネタバレあります。読みたくない人は読まないように。

  1. ストーリィの語り口がやたらややこしい
    • 整理してみると、それほどややこしい話しではないのだが、ウィルが行ったり来たりするし、ジャックもふらふらしている。人物の相関図でも書いてみたら理解しやすいかもしれないが、逆に云うと、相関図でも書かないと理解しにくい。少なくとも、映画を見ながら理解に思考力をちょいと割かないといけないのがわずらわしい。
  2. これは海賊映画なのだろうか……?
    • 海賊映画なのかファンタジーなのか、けっきょくどっちつかずな感じ。海賊映画であれば反則はひとつだけ、つまりアステカの呪いの金貨だけにすべきだったかもしれない。ゴシックな匂いのするファンタジーがそこかしこに出てくるので、観客はどちらに照準を合わせていいのかよくわからない。
  3. ジャックの見せ場がやたら少ない
    • これは非常にマイナス。誰が主人公なのか、まったくわからない。扱いとしてはウィルとエリザベスに比重が傾いているのだが、いちおうジャックが主人公なのだ。ジャックにもう少し見せ場を作ってやらないと、微妙に尻切れとんぼ感が漂う。有り体に云うと、落ち着かない。観客はとうぜん主人公の見せ場を期待するものであって、あれでは肩すかしを食らったように思うひとがいるだろう。

とまあ、簡単に挙げただけでも、これだけは確実に不満があります。面白いんですよ、たしかに。文句なく面白い。だけど、面白いのと構成上のマズさが残っているのとはまた別の話しで、面白いのに構成がマズいという、不思議な映画です。とうぜん、いいところもあります。なんと云っても、ジャックがいい。見せ場が少ないにも関わらず、その存在感はピカイチです。あれ、ジョニー・デップ以外の誰かがやっていたら、きっとつまらん映画になったことでしょう。

まあ一作目がいちばん好みだった私としては、2作目3作目はちょいと微妙な感じで、それはたぶん上記の理由があったからだと思います。ディズニーの娯楽映画として見る分には申し分ありません。一度は見ておくといい作品だと思います。

……連作にしてむりやりスケールを大きくしなくてもよかったのに、と思うのは私だけ?