大学でも意外と間違うもんだなあ……

大学病院の抗菌薬マニュアルを入手したので勉強ついでに検討しているのですが、誤字脱字が多くて困ってしまいました。あと誤字脱字に加えて致命的に間違っている部分もあり、老婆心ながらもはやくver3に修正した方が良いのではないかとドキドキしています。綴りが間違っているくらいは笑い話ですが、臨床的に無効なところに○○%有効と書かれているのはマズいのではないかと思います。どきどき。

ところで、CCL(セファクロール:商品名ケフラール)って、第何世代の薬剤なんでしょうか。日本では第1世代と書かれていることが圧倒的に多いのですが、先日ワシントンマニュアルを読んでいて、CCLが第二世代に分類されているのを見てぶっとびました。ほかにもCFDN(セフジニール:商品名セフゾン)も第二世代に分類されていて、わけがわかりません。日本ではCFDNは第三世代に分類されているはず。あちらさんとこちらさんで分類が違う、なんてこともないと思うのですが、WMの間違いかなあ???薬効的には、CCLは第二世代じゃないかと私は前から思っていたんですが、はっきりさせたい。気持ち悪いぞ。

ちなみに、CCLはS.aureusをカバーしません。これはMSSAであっても同じで、ほとんど有効性はないと考えて差し支えないと思います。日本では見かけることのほとんどない(気がする)セファレキシンは、CEZに相当する唯一と云ってもいいかもしれない第1世代の薬剤です。こちらはMSSAを強力にカバーしますので、もしかしたら蜂窩織炎に使えるかもしれませんね。

しっかし、こう書いてしまうと、CCLの使い道って何なんだろうと悩んでしまう自分がいたりいなかったり。気道系の感染症でCCLが有効だと考えられるものは……うーん、B.catarrhalis?うーん……

追記

どうやら実際にあちらさんではCCLは第二世代に分類されていることが多いようです。特徴的には第1世代と第2世代の中間的な性質を持っているのだとか。スペクトルなどの特徴は、第2世代ととらえてもよいのではないかと私は考えています。使い道は思いつきませんが……ペニシリンアレルギーの咽頭炎の患者さんの代替薬とか……?

あと第1世代の経口セフェムとしては、CCLよりもCEXの方が有名みたいですね。当院にはCCLしかなかったので、てっきりCCLの方がメジャーだと思い込んでいました。CEXは軽症の蜂窩織炎の治療などに使えるのではないかと思うのですが(CEZで治療した蜂窩織炎のメンテナンスにも使えると思う)、なぜ採用されていないのか、よくわかりません。同じ疑問として、当院では経口のCLDMがないのですが、これもセフェム・ペニシリンにアレルギーのある患者の軽症蜂窩織炎の治療はいったいどうしたらいいんだろうかとどきどきします。まあ別に乱用されるよりはマシなので、かまわないと云えばかまわないのですが……