おにぎりを投げる


さて、あまり湿っぽい話しばかりではアレなので、ここで少しだけ民俗学っぽいお話を。


葬儀に参列して少しだけ驚いたのは、おにぎりを投げるという風習。なんでも故人が生前願をかけてそれをほどいていなかった場合、その願をおにぎりに包んで放り投げることでほどくのだとか。あまり正確なところを把握しているひとがいなかったので何ともあやふやな話しなんですが、話しを聞くかぎり、穢れを流す禊なんかと似ていると感じました。ああそうそう、おみくじなんかもそうかもしれませんね。


これが日本古来の風習かは寡聞にして知りませんが、基本的に日本人は「穢れ」たものは「流す」ことで清める思想を持っているようです。雛祭りの原型であるとされる「流し雛」がその典型で、あれは身に付いた穢れを人形(ひとがた)に移して流すことで祓おうというものですよね。で、ふと気がついたのですが、神社でひくおみくじ、あれも似たような側面がありますね。おみくじは引いて読んで、そのまま結んで帰るひとが多いと思いますが、あれも読んで、おみくじに書いてあることがかなったときに初めてもういちどお参りし、結んで帰るのが正しいあり方のようです。どうやら日本人は、願いは「穢れ」たものとして扱うようですね。興味深いと思います。


つまり先のおにぎりは穢れのかたまりであり、おそらくカラスに食べさせるのが正しいあり方なのではないかと想像しました。
四十九日の法要が終わるまではお参りしてはいけないと云われましたが、これも死者に接することで「穢れ」付きになったため、穢れ付きのまま神域に参ることは神様に対して失礼なことだから、という意味のようです。なぜ四十九日の法要が区切りになるのかは知りませんが、四十九日は閻魔様があらわれる日だとされています。そこらへんが理由でしょうか。


補足が必要ですね。いつかきっちり調べて、補足したいと思います。