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VibrioとAeromonas

Vibrioは、意外にめんどくさい微生物だ。試薬があれば同定はそれほど難しくないが、自動分析機を頼りに検査をしていると、意外にVibrioの可能性に思い至らない。

Vibrioの中でも発育にNaClを要求しない(=0%NaClで発育可能)V.choleraeとV.mimicus(まれではあるがその他のVibrioでもありえるらしい?)は、自動分析機でも同定することが可能である(安定はしないが)。が、それ以外のVibrioはそもそも発育しないため、自動分析機で同定できない。極端なことを云ってしまえば、血液寒天で発育旺盛なグラム陰性桿菌が発育不良だったとき、それはVibrioだと云ってもよい。そのくらい疑わしい。

  1. Vibrio
    • 基本的にoxi(+)のグラム陰性桿菌。クリーム色の中型コロニーを形成するケースが多い。
    • 基本的に乳糖(-)のため、MacConkey寒天培地で透明コロニーを形成。
      • 白糖分解菌であるV.choleraeなどの菌は、TCBSで黄色コロニーを形成する。白糖の分解性だけなら、TSIやDHLでも確認可能。
    • 臨床的に重要なほぼすべてのVibrioが、0.5%NaClで発育することが出来る。生理食塩水が便利。
  1. Aeromonas
    • 基本的にoxi(+)のグラム陰性桿菌。クリーム色の中型コロニーを形成するケースが多い。
    • TCBS寒天培地に発育できない。まれに発育することがあるというが、経験がない。
      • Aeromonas属は白糖分解菌なので、発育すると黄色コロニーを形成する。
    • Aeromonasは3%NaClに発育することが出来ない。そのため、0%と3%NaClアルカリペプトン水があれば、両者を数時間でほぼ鑑別できる。

これに時折Shewanellaとかが混じってくるとめんどくさいが、基本的には便から出てくるV.choleraeを見逃さないことが至上命題であり、また膿汁などから出てくるV.vulnificusを見逃さないことが大事だと思われる。手持ちの試薬でAeromonasとVibrioを切り分けるシミュレートをしておくと、出てきたときに余計な時間を使わずに済むだろう。