夜勤明けのシビれる蜂巣炎

溶血して赤ワインのような色になった血液培養が陽性(好気ボトル+嫌気ボトル)。データも何もなしにまず考えられるのは、腸内細菌、レンサ球菌とガス壊疽あたり?場合によっては嫌気性培養もいるかなぁ?好気ボトルが陽性になっているからといって嫌気が絶対に生えないかと云われればそんなことはない今日この頃。菌の皆さま、いかがおすごしでしょうか(ボトルに向かって話しかける危ない検査技師)。いえーい(もやしもんみたいな光景を思いねえ)。

……夜勤明けのしびれた頭で漠然と浮かぶのがこのあたり。当人、夜勤明けではげしく夢見心地です(爆)。まあグラム染色見てしまえばいいだけの話なので、夜中でしたが、さっくりスライドをつくって見てみました。……まあまあ予想通り、妥当なところでレンサ球菌。ああ、溶血性のレンサ球菌?……A群?B群?それともG群?腸球菌で赤ワインになることはまずないので、この時点でほとんど溶血性レンサ球菌感染症は決まり。この時点でほとんどやることは決まってしまって、男は黙ってPCG!です。ここで始めてデータを見てみると、CRPは陰性。うふ。CRPあてにならないね。DIC起こしているね、でもCK高くないから壊死性筋膜炎じゃなさそうだね……じゃあ、蜂巣炎かな。

というわけで、ふらふらしながらやることやって帰ってきたのでした。CRPは翌日に12前後くらいに上がっていましたが、CKは高くないのでやっぱり壊死性筋膜炎ではなく、蜂巣炎のようです。やっぱりこれならPCGでイケるはずなのですが、主治医と雑談しているときに聞いてみたんですが、「あんまり使ったことないし使わないねえ」とのことでした。私もシチュエーションがよほどはっきりしていないかぎり、PCGをお勧めすることはまずないです。怖いもん。(基本的に、感染性心内膜炎とA群の壊死性筋膜炎しか使わない)

「経験者がいる」ってとても大事なこと。病院を経営している経営層にひとこと。設備も大事ですが、研修先としてもっとも魅力的な要素は「人間」です。このひとがいるからあそこに行こう、コレ重要。設備が充実していることも重要っちゃ重要なんですが……