嘘をつく機械

安ーい機械の中には、使用者に対して嘘をついている機械があります。血液ガス分析がそうです。こいつはまことにけしからん機械なのでございます。

まず、測定項目がものすごく少ない。機械にもよりますが、おおむね、pH、PaO2、PaCo2あたりを測定し、あとは計算で出しているんですね。とくにsatO2がそうです。PaO2がよければ自動的にsatO2もよくなります。一酸化炭素中毒のときに血液ガスのsatO2が嘘をつくというのは有名な話です。……有名な話、なのかな?

さて、小児科で静脈血の血液ガスを持ってくる先生がおりまして、データの解釈に困っています。動脈血と静脈血を比べると、当然PaCo2は大きいはずですよね。ということは、pHはアシデミア側に偏るはず。ということは、AnGapは大きくなる?犬を使った検討でBEだけはどちらも大差ないという文献を読んだことはありますが、微妙なライン。当然satO2とか当てになるわけもなく、静脈血を使うと信用出来る数字がほとんどありません。うーん。

ひとりよくわからない患者さんがいて、最初は呼吸性アルカローシスがあったんですが、時間経過とともに血液ガスの値がおかしくなってきて、いまでは静脈血のくせに動脈血みたいなデータになってきています。おかしいのは血液ガスデータと、CRP(!)。あとCK、LDHが徐々に上昇中。……イヤな感じです。血液培養は陰性くさい。髄膜炎とか気になるんだけどなぁ……