冷却水に潜む

レジオネラの話の続きです。

これから書くことはまるっきり専門外のことですので、いつも以上に内容に保証がありません。というか、おそらく間違いも書くでしょう。決して鵜呑みにしないように。

ビルなんかの屋上によくクーリングタワーが設置されています。このクーリングタワーでレジオネラがどんどん増殖していきます。この冷却水は基本的に冷凍機(ヒートポンプ)で発生した熱を受け取る役目を持っているのですが、以下の理由により、冷却水はレジオネラが増殖するのに都合のいい環境になっているためです。

  1. 適度にあったかい
    • ヒートポンプの熱を受け取っているため、適度に暖かい。通常レジオネラは60℃以上になると死滅するため、水温を60℃以上に保てればレジオネラの心配はほとんどない。冷却水には無理だけど。
  2. 有機物が多い
    • 冷却水はクーリングタワーとヒートポンプを行ったり来たりしているが、原理上、冷却塔内でいくらかの冷却水が蒸発する。つまりこれを延々続けていくと、冷却水はどんどん濃縮されていくということになる。通常、冷却塔にはこういった不可避の有機物濃縮を避けるため、水を強制的に排水する仕組みがある。
  3. 藻が発生する
    • 水の流れが悪くなるところはとくに藻が発生しやすい。レジオネラの有機物源は藻や自由生活アメーバなので、死水域がある場合は要注意。ところで、冷却塔から伸びている配管などに藻は発生しないのであろうか……
  4. 自由生活アメーバの存在
    • これはもはや宿命とも云えるが、レジオネラは細胞内寄生性を持ち、自由生活アメーバの中で生活することが出来るため、アメーが発生するような環境では必然的にレジオネラも発生しやすい。レジオネラはヒトの白血球にも寄生出来るため、非常に厄介。

以上、冷却塔の水にやつらが住み着くのは必然である、という結論になります。メンドクサイですが、病院環境では、空調設備の試用期間中、こまめに検査してメンテナンスしてやる必要があると云えるでしょう。

参考資料をリンクしておきます。
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