BRM822 宗谷岬600 最後

北海道は、とても楽しかったです。

輪行バッグを抱えてぼーっと電車を待っていると、たいてい「どこから来て」「どこへ行くのか」と聞かれます。遠征あるある、です。私はいつも、説明に困ります。はて、ランドヌールでないひとたちに、ブルベをどうやって説明したらいいのか。

ランドヌールにとって100kmはとくにどうということのない距離でしょう。油断は出来ませんが、ブルベを走ったことがあるひとなら、ロードバイクで100kmは別にたいした距離ではありません。ただし、ロードに乗らないひと、100km走ったことのない人、走れると思ったこともやろうと思ったこともない人に、100km走る、と云ったときの反応は、たいていこの三つに集約されます。

  • すごいね(呆れ)
  • 体力あるんだね(別世界の人だな)
  • でもなんでそんなことやってんの?(疑問)

まあ、私もそうでしたが、別に体力があるから自転車乗ってるわけではないので、体力あるんだね、は、かなり誤解が混じっています。別に体力なくても、100kmくらいならなんとかなるんですよ、トレーニングは必要ですが。いちばん困るのは、(なんでそんなことやってるの?)という疑問に、うまく答えられないということです。

なんでこんなことやってるんでしょうね?

200km、300km、400km、600km、冷静に考えてみれば、正気の沙汰ではありません。まだ200kmは健全なスポーツの不利が出来ますが、さすがに400kmになるとある種の覚悟が必要ですし、600kmなんて、私にとってみれば挑戦以外の何者でもありません。間違いなくしんどいです。今回のように、体を壊すこともあるでしょう。公道を走っている以上、落車して、病院おくりになる可能性だって、皆無ではありません。ブルベは決して危険なスポーツではありませんが、本質的に、危険をはらんでいるのは、他のスポーツと変わりません。では、なぜ、そんなしんどく、危険なことを、北海道までいってやる必要があるのか。

なぜ?よくわかりません。
ただ、スタートに80名のランドヌールが集まって、いまから600kmを走るのだ、という光景に、私は感動します。こんなに不可解で、しんどくって、よくわからないイベントが、ボランティアで運営され、日本中で決して少なからぬ数開催されていることに感動します。どう考えてもマイナなスポーツ、ただ長距離を制限時間内に走るというイベントに魅入られたひとたちがこんなにも存在するのだ、ということに、私はただ感動するのです。


詳しくは書きませんでしたが、膝を壊して道の駅でひょこひょこ歩いていたときに、声をかけてくださった方々。ありがとうございます。医療関係者という立場上、公には書きづらいのですが、いただいたものがなければ、私は山の中で立ち往生していたかもしれません。

関西圏からの参加者は少なかったのですが、オダ近ジャージのひと。おだっくろう、かっこ良かったです(笑)。買ってみようかな、と思いましたが、ブルベ新参者がアレを着て走るのは、少し勇気がいりますね。次は関西圏を走りますので、買ってみてもいいかな、とか思っています。

ファットバイクのひとは、存在感がすごかったですね。あれで普通のロードより早いとか、意味わからないです。

Twitterの方々、私がリストに入っていたので、片っ端からフォローさせていただきました。リアル声かけは出来ませんでしたが(誰が誰かわからない)、それでも楽しかったですね。

自転車屋さん、ボトルを売ってくださってありがとうございます。あわてて荷造りしたので、ボトル忘れてたんですよね(苦笑)。いろいろお話を聞かせていただいてありがとうございます。

最後に、開催スタッフの方、お疲れさまです。完走者でもないのに、ゴールでお世話になりました。次年度も開催予定と伺いましたので、きっとまた参加すると思います。ノシャップも、宗谷岬も、音威子府の黒そばも、サフォーク丼も、なにも達成できませんでしたからね(苦笑)。それでも楽しかったのですから、これはリベンジとは云わないでしょう。ただ、もういちどちゃんと走ってみたいと思います。

ブルベは楽しいですね。
なぜでしょう?よくわからないですが、やっぱり楽しいですね。