もっと曖昧な意見を云いなさい

具体的なアイディアほど役に立たない。何かひとつ瑕疵が見つかれば、それだけで役に立たなくなるくらい役に立たない。なぜみんな、具体的なアイディアを求めているのだろう?

具体的なアイディアを述べなさい、と部下を叱る上司がいるようだが、まるっきり間違っている。意見やアイディアはもっと曖昧で、もやもやっとしていて、抽象的であるべきだ。具体的な意見、アイディア、提案はほとんどのケースで役には立たない。具体的な意見を求める上司は、それだけで何も考えていないことがわかる。

何かひとつの具体的なアイディアで問題が解決したことなんか、一度もない。もやもやっとした状態こそが、何か解決策を思いつく準備段階であるといってもいい。具体的なアイディアを求める上司は、きっと解決策が天から降ってくるのを待っているヒトなのだろう。

ただ、分野の違うお客さんに提案するときは、アイディアをある程度具体的なものにする必要はあるけれども。