ソウ、ソウ、ソウ……

ソウ1、ソウ2、ソウ3を見ました。まさに寝正月だぜ!

以下、ネタバレあります。要注意!

ぶっちゃけ云ってしまうと、ソウ1がいちばん面白く、回数を重ねるごとにつまらなくなっていきます。ソウ2はまだいいんですが、ソウ3にもなるともうグロいだけの駄作に近い。ソウ1とソウ2で作風が変わったなと思っていたんですが、どうやら1と2では監督が違うようですね。1で築かれた名声が、3で木っ端みじんになった感じです。

私はいわゆるところの「不条理系箱ものトリック」が大好きで、そのあたりがソウを見てみたいと思ったきっかけです。脱出不可能なシャワー室、わけもわからず閉じ込められたふたりの男、部屋の中央に倒れているひとりの死体。脱出するために提示された難題、そして徐々に明かされていく謎。脚本がしっかりしていて、映画として十分見応えがあります。全編にうずまく濃密な狂気が、見るものを徐々に狂気の渦へと誘ってくれます。ソウの骨格は何かと考えるとき、この狂気を外すわけにはいかないでしょう。助かるためには冷静にならないといけないのに、この異常な状況がそれを許さない。画面から漂うこの狂気こそが、ソウの骨格だと私は思います。

その狂気が極限まで高まる物語終盤、おもむろに(ネタバレ警報)シャワー室の死体が起き上がり、それが真犯人であるジグソウだったと明かされる瞬間のインパクトは強烈です。まさにすべてを「見ていた(SAW)」わけです。若干唐突に思えるこの結末にも、用意周到な伏線があります。

ジグソウは最前列で見るのが好きらしい……

ああ、もうこれだけでOKですね(笑)。こんな台詞が劇中に出てきます。そしてこれだけではなく、マジックミラーの向こう側にあった監視カメラ、この存在がジグソウは当然監視カメラを見ているに違いないという先入観を与えます。これがあるから、どんでん返しが活きてくるんですね。満足満足。

ただまあ、2になると無駄に描写がグロくなって興ざめするのと、3になるともうグロさしか印象に残らなくなって勘弁してくれみたいな感じになるので、もったいない感じはします。2は面白かったのに……

というわけで、ソウ1だけはおすすめします。4は見ていないので、DVDが出たら、借りてみようかな……