呆れる他にない

服薬指導がお金になるから、感染対策活動に割く時間はないと云われた。思わず声が出そうになったが、ぐっと我慢する。これが薬剤師の本音であるなら情けないというより他にないし、もうこうなったら笑うしかないというものだ。

世のすべての薬剤師がこうであるとは思わない。思わないが、しかしこれが現実ではないかとも思う。つまり、お金になるほうに流れていくのだ、すべてが。厚労省が保険点数に差を付けて医療を操ろうとしているのと、本質的にいっしょで、まあある意味自然な流れなのだろう。

私は本音と建前があるのを悪だとは思わない。本音を隠して建前を振りかざすのは、こういう場においては戦い方の一種だと思っている。だからこそ、その本音を委員会という公の場で云うとは思わなかった。俺が「じゃあ、お金にならないから薬剤部は感染管理活動に協力しないというのですね?」と云ったらどう反論してきたのか、もしかしたら開き直って「そうだ」と云ったのかもしれないが、とにかく出てきた本音が醜悪だった。日本ではときに本音で語り合うのは美徳とされるが、醜悪な本音をさらすのは、私は美徳だとは思わない。まあ、ある意味、いい言葉が聞けたので、次からはせいぜい楽しく会話させてもらうことにしよう。

いや、ほんと。久しぶりに呆れた。