ベッドは空いているというけれど

本当に「使える」のか?という疑問が拭えないこの記事

 新型インフルエンザの流行のピークに備えて、県が県内の病院の稼働状況を調べた結果、一般入院ベッド数に2000床以上の余裕があり、流行のピーク時でもすべての入院患者に対応できる見通しであることが分かった。ただ県は、「患者の増加も考えられるので、楽観はできない」と県民に予防の徹底を求めている。

 県保健衛生課によると、診療報酬の届け出を行っている一般ベッド数は、9月1日現在で1万525床。このうち、実際に入院患者がいるのは8464床で、2061床が空いていた。これに対し、厚生労働省の試算方法による流行ピーク時の入院患者数は、県内全域で500〜760人程度と推計されている。

(後略)

青森県の記事ですが、日本全国でも似たような試算をしていました。これらの「理論上の」ベッドが、「本当に使える」ベッドなのか、ちょっと疑問です。この記事からはよく実情が見えてきませんが、たとえば空きベッドといいますが、内科外科整形外科小児科すべてごっちゃにしてませんか?感染対策がばっちり出来た上で「使える」ベッドなのかどうか、こういう数字を見るたびにそのあたりが疑問です。

たとえば医師の数。医師の数はこれこれなので「理論上」は大丈夫……という説明がありましたが、この試算には精神科医も含まれており、精神科医が内科医と同じようにバリバリ人工呼吸器を使いこなす想定でした。ちょっと無理がありますね。この試算も、なんだか開いているベッドすべてに患者を突っ込む想定になっているように思えます。どうなんでしょ。

現実問題として、透析患者の多い病院なんかは、怖くて時間外に新型インフル患者は診れないのではないかと思います。血液疾患や癌患者の横に、間仕切りがあったとしても、新型インフル患者を入れるのは……ちょっと恐ろしいですねえ。