心電図を正確に?

さいきん心電図の勉強をしているのですが、どうも心電図を「正確」に解釈しようとするのは間違いだと感じるようになってきました。このあたりは細菌検査と同じかも知れません。もともとファジーな分野なのに、厳密に解釈しようとするからわからなくなる。これとおなじ罠にはまっているひとは多いんじゃないかと推測します。

笑い話のひとつに、「尿量を小数点一位まで測定出来る」というのがあります。まったく無意味ですね。市販の体重計はたいてい200gきざみで測定しますが、そのくらいの精度で十分なわけで、なんでもかんでも「正確」に解釈しようとするから無理が出てくるんじゃないかと思います。心電図を「わからない」と感じてしまう理由は、いくつもある心電図の解釈の仕方や診断基準を馬鹿正直に覚えて、すべての心電図をその解釈に当てはめて考えてしまう、その考え方にある気がします。……まあ、すべて私のことなんですが(笑)。

そう考えると、心電図を取る前にすべての患者さんに、どんな症状があるのか聞き取りをしたほうがいいのかなと思います。ついでに、いま症状があるかどうかも。細菌検査もそうですが、すべては患者さんあっての検査だなあと感じています。