信念と宗教

何かというとデータを示せ、文献を示せというロクでもない医師はどこにでもいるもんですねぇ。しみじみ。

中途半端にかしこいというか、武器の振りかざし方を知っているのがいちばんやっかいです。まさに「ナントカに刃物」。いままでのやり方を変えたくないときにまっさきに口から飛び出ることばが、「文献もってこい」だから嫌になります。傷口にイソジン塗るのは危険だからやめようぜ?擦り傷に消毒薬ぶっかけたら痛いでしょ?

何だったらテメーの皮膚で実験してやろうか、などとやさぐれていたのですが、なんと実際に自分で実験されたかたがいらっしゃったんですね。すばらしい。イソジンの細胞毒性は比較的有名な話だと思っていたのですが、切った張ったの世界で生きている外科医にとっては、まったく別世界の話だったようです。そして自分の考えを変える気もないようで、結局なんだかんだと文句ばかり出てくるのは、ようするに自分の過去の経験から抜け出せないだけなのだと思うようになりました。もうね、最近そうだとしか思えなくなっちゃった。努力はしたんだけど。

自分の過去の経験を妄信するのは、ある意味自分が教祖サマのカルト集団と大差ありません。何かっちゃ「文献もってこい」のナントカなひとも、自分の頭で考えてないので同類だと思います。よく「テレビでやってた」なんていうひともいましたが、そういうひともあんまり脳みそが動いておらず、じっくりと考えてないと思われます。この前「磁気カードの遠隔スキミング」の話で親と大げんかしましたが、相手はテレビでやっていた、世の中の悪党はあんたが思いもよらない方法を考えつくもんだ、の一点張りで、まったく話が平行線。原理的に(もしくは物理的に)出来るはずがないと主張する私に、テレビでやっていたという理由にもならない理由で怒りだし、まったく話になりませんでした。あとで調べてわかったのですが、「磁気カード」の遠隔スキミングはまずもって不可能です。これはおそらく「ICカード」の遠隔スキミングの間違いでしょう。ICカードなら可能です。可能ですが、スキミングされたからといって即偽造カードにつながるわけではなく、現時点ではそれほど心配する話ではないと考えられます。磁気カードの遠隔スキミングは都市伝説の類いであり、おそらく物理的に不可能ですので、心配する必要はありません。金融庁の議事録にも、くそマジメに書かれています。

しかし、テレビでやってた、と主張する相手を説き伏せるのは、ほんっと至難の業ですね。あやしいツボ売りつけるカルト宗教とどこが違うのか、教えて欲しいものです。ああ、そうだ、どこそこのガイドラインに載ってる、なんて主張するひとも大勢いますが、理由としてはテレビと大差ないです。日本初のガイドラインって、けっこう根拠がいい加減ですよ?CDCもですけどー。