不況の構造

感染症関係のブログに戻るといった、その舌の根も乾かぬうちに(笑)。

書き出すと長いですけど、こう、麻生内閣がやろうとしている(?)「内需の刺激」っていうのが、どうもいまいちピンときません。政治家と呼ばれている人たちの言動の印象はどうも「不況の対策」=「内需の刺激(ニューディール政策?)」という感じで、うーん、本当に大丈夫かな、と思わされることしきり。定額給付金なんて、ようはその「内需の刺激」を目的とした政策なんですよね、きっと。うーむむむ。

じっさいニューディール政策だって、教科書的にはこれで世界恐慌を乗り切ったよ、と書かれていたように思うんですが、じっさいのところ政策のいくつかは思ったとおりの効果を発揮できずに、景気の回復は戦争による特需を待たなくてはならなかったと記憶しています。ある程度は効果があったんだろうなとは思いますが、現代で通用する政策かどうかは、疑問が残りますねえ。

だいたい、需要が供給を上回っているのに値段が下がり続けている恐ろしい経済情勢で、定額給付金みたいな中途半端な政策が効果を発揮するとは思えません。「強い値下げの圧力が存在し」、そのため「利益を確保するためにコストを削減しようという圧力があり」、「製品コストはぎりぎりまで切り詰められている」世界では、「製品マージンはごくわずかになる」わけですよね。薄利多売の世界で消費がここまで落ち込んだら、定額給付金程度でどうにかなるとは思えないんですが。もちっと抜本的な改正案はないのかな。

ところで、この「値下げの圧力」ってのはすごいですよね。卸さんに聞いてみても実際にすごいと云いますし、私自身も値下げ交渉のための資料を作ったことがあります。いろんなところから突き上げられてかわいそうな話です、ほんと。比較的短時間で情報のやりとりができるネットワークがしっかりと存在している世界では、製品の値段はいちばん安いところにあっちゃうんですよね。コジマとかヤマダデンキとか、家電量販店がよくやっていますよね、他店より高かったら、というやつ。値下げ値下げの価格戦争が勃発すると、もう小さい店は太刀打ちできません。すると大型店しか生き残れなくなってくる(大量に仕入れることでコストを削減できるから)。さいきん街角の小さな家電製品屋さんってめっきり見かけなくなりましたが、店の一極集中化を促し街角の家電製品店を潰したのは私たち消費者である、とも云えるでしょう。困ったもんです。

Amazonの台頭も消費行動に多大な影響があったと考えられますが、まあ、来年気が向いたら書こう(笑)。

では、よいお年を…