カテは抜いて

もう何も云わない。これ以外、何も云わない。これやってたら、もう何も云わない。

お願いだから、カテーテルがらみの真菌感染症のときは、

カテーテル抜いてください。マジでお願い。

実感として、カテーテルを抜去ことなく真菌感染症を治癒させることは不可能なのではないかという気がします。真菌性の感染性心内膜炎だって、全例が手術適応じゃないですか。たぶん無理なんですよ、汚染されたカテーテルを入れたまま治療するのって。たとえどんな抗真菌剤を使ったとしても。

ところで、もうそろそろ強い抗生剤ということばを聞きたくないんですが、いまだにこの言葉を耳にします。どうもそういう人たちのなかの抗真菌剤のイメージって、FLCZ→MCFG→VRCZ→AMPH-Bって感じでしょうか?麻薬じゃねーんだから、抗生剤に強いも弱いもあるかボケぇ、と偉い方も云っておられます(冗談です)。まあ、FLCZとVRCZについちゃ、VRCZの方がMIC比べてみると優れているってのは事実ですけど。

β-Dグルカンがぜんぜん下がらないのを見ていると、患者さんがかわいそうです。もうずいぶん前にカテーテルについては指摘しているんですが……もしかして、抜くと入れ直すのが難しいだとか?文献的な確率である、抜かずに治療すると治癒率30%以下*1という事実をねじ伏せるだけの理由があるなら別ですけど、それ以外は全例抜去が適当なのではないかと思う次第です。個人的には、抜かずに治癒した例は(たぶん)お目にかかれたことないです。(抜かずに治療出来ればそれに越したことないんですけど……)*2

*1:ワシントンマニュアル 感染症科コンサルタント参照

*2:たぶんそういう患者さんはTPNを必要とする重症患者ばかりで免疫がおかしいひとがほとんどなせいだと思う。