おまえら麻疹をナメんなよ?

というわけで、再度書きますが。
麻疹だと思ったらさっさと病院逝ってよし。
そろそろガチで全国に麻疹に火の手が上がる頃合いです。麻疹の潜伏期間は8〜12日。GWのはじまりからだいたい2週間が経過していますので、そろそろ全国的に救急や内科、小児科に患者があふれる頃合いではないかと思います。ワクチンを打っているからといって油断してはいけません。私のように罹患歴はないけどワクチンを打っているというひとは、逆にもっともっと注意を払ってください。麻疹は恐ろしい病気だという認識を持ちましょう。

ニュースでもやっていたようですが、東京都内では猛威を振るっているようです。麻疹絶好調。GW中に東京ディズニーランドに行った人はいませんかー?ハイリスクグループですよー。都内では着々と勢力を拡大し、関西では大阪がメインにやられているようです。やっぱり都市部で流行していますね。鳥インフルエンザが都会で流行ったらと思うと恐ろしいですねー。いや、麻疹の流行だって十分恐ろしいんですけど。

医療従事者のみなさんに至っては、自分がスーパースプレッダにならないように気をつけましょう。麻疹の院内感染例は存在します。また病院で麻疹をもらったとした考えられない例も存在しているので、外来でトリアージするのが重要です。咳しまくってる患者は速攻マスクかぶせてどっかに隔離。ケアにあたる看護師も、抗体持ちの慣れた看護婦が(少なくとも患者にトリアージの必要性を説明出来るくらいには)必要です。


しかし、日本のワクチン行政は脆弱ですね。言論の自由を振りかざして云いたい放題云いますが、有効な麻疹ワクチンが大量にあるにもかかわらずいまいち日本の麻疹対策がうまく行かない背景には、マスコミがワクチンの副作用を過大に評価したことが大きな原因のひとつとしてあると思いますね。厚生労働省もまず副作用を懸念して慎重論を採りますから、結果、有益なことがわかっているのに採用されない、なんてワクチンもあったりします。麻疹に関してはワクチンが有効であることは以前からわかっていたわけですから、もっと強力に推進するべきでしょう。先進国のなかで麻疹が小規模ながらも流行を見せるのは、じつは日本だけだったりします*1。そのため日本は「麻疹輸出国」などという不名誉な呼び方をされたりもしています。

すべての医療行為は本来、「危険を伴うもの」です。危険と利益を天秤にかけて利益が勝るから医療行為が成立するわけで、いたずらに副作用の危険性をあおるような論調は良くないと思います。

*1:理論上、麻疹は天然痘と同様に根絶が可能な疾患のひとつです