MERS

MERSについては、(いまのところ)あまり心配していない。

当初、単純に漏れ聞こえてくる情報で計算すると、MERSの基本再生産数は16という驚異的な数字であった。これは麻疹にも匹敵する驚異的な数字である。もともと把握されていたMERSの基本再生産数は0.6程度であり、ウィルスの感染力の情報も含めて、変異が起きているのではないかという意見も見られた。あまり詳しく把握していないが、現在の段階では4次感染まで発生しているようだが、疫学情報が追えないミッシングリンクは発生していないようだ。

昨年私の住んでいる地域で麻疹の感染があり、つながりのわからない症例が同時に発生した。もうすでに麻疹は大勢の人がワクチン接種済みであり、基本的にはインフルのようにわっと広がったりするわけではない。MERSにワクチンは存在しないし、特異的な治療薬も存在しないが、麻疹並みの感染力を持つのであれば、いまごろMERS患者はもっと増えているのではないかと想像する。「だから心配する必要はない」と主張するつもりはまったくないが、当初心配されていたような事態にはならないのではないか、というのが、いま感じていることである。

もちろん市中に飛び火していないことが大きいのだが、基本的には、それほど心配せずともよいのではないか、という気がしている。もちろん、基本的な対策がちゃんと出来ていれば、という条件付きなのだが・・・