本をバラしてみた

せっかくScanSnapがあるのだからと思い立ち、単行本をカッターでバラしてみた。これがまたよく切れるカッターなのでバラすのはそれほど手間ではないのだが、きれいにバラすのはなかなか大変。バラしたら、あとはひたすら取り込む、取り込む、取り込む。だいたい全部取り込んで、100MBくらいになりました。

本が一冊で100MB、まあだいたいこのくらいでしょうか。わりと読むのにも苦労はしないし、ほとんど問題になる点はありません。でもやっぱり問題になるのは見開きページで、これはばらけてしまうがために台無しになってしまいます。こればかりは仕方ないですね。画質の点で不満はありませんし、HDDの容量がTB単位になりつつある昨今、容量の点でもほぼ問題はないでしょう。10冊取込んでも1GBです。TBの外付けHDDに入れてしまえば、1000冊取込める計算になります。

まあやっといて何ですが、たぶん二度はやらんでしょうね(苦笑)。ScanSnap1300では一度に取込める量が限られているため、取込み作業自体がかなり手間なのです。iPadで読むことを想定してのことでしたが、最初からその形式で提供されているならいざ知らず、わざわざ自分でバラして取込むには、ちょっとまだ手間がかかりすぎます。手元の本も、ダメになりますしね。

思うに、ずっと手元に残しておきたい本は紙媒体で残しておきたいと思います。これは私が昔から紙に馴染んできて、紙媒体に思い入れがあるからです。さっき見開きのことを書きましたが、紙には電子媒体には欠けている(もしくは再現できていない)一覧性の良さがあります。もともと紙媒体はその良さを引き出す方向に表現が進化してきたわけですし、いまはまだすべての本が電子化されるとは思えない。でも、そうですね……そのうち、本のいくつかが値段的に安い電子媒体で提供されるようになり、そしていまの紙媒体が愛蔵版のような形で残るんじゃないでしょうか。手元にコレクションしておきたいひとは紙を選択し、そうでないものは電子媒体を選択する等といった、一種の選択の自由は成立しうると思います。

基本的に、ビジネス書のような知識体系的なものは電子媒体の方が便利です。ビジネスマンの生態にもよくマッチします(出張先で電子書籍を読む、移動時間に電子媒体を読む、など。かさばらない利点が大きい)。電子書籍は検索が効くのも強みです。加えて、こういった書物はコンテンツが売りなのですから、普通に考えて、コレクションしたいというひとはあまりいないでしょう(本棚が埋まることに快感を覚える種族がいることは知っていますが)。このような書籍類は、たぶんそれほど時間もかからずに電子化されるでしょうね。小説も、そうでしょう。これも割とすんなり電子化される気がします。

漫画はどうでしょうか。漫画はかなり紙媒体という媒体に依存している部分があり、「本を開いて読む」という行動に依存した部分がたぶんにあるメディアです。たとえば、次のページをめくりたくなる(結果が気になる)シーンを左側のページにもってくる、というのは常套手段のひとつです。左右のぶち抜きもそうでしょう。漫画は、かなり電子化されにくい気がします。容量がでかくなりがちなのもありますね。それは今回、バラして取込んでみて思いました。いずれ解決される部分でしょうが、いまの時点では問題点が残るでしょう。

でも、ということは、世の中のかなりの部分が、ハードさえあればいますぐにでも電子化されうる、ということなのではないかと思うわけです。とくにビジネス書は狙い目です。漫画なんてほっておけばよろしい。電子書籍は普及しないとか云っているお偉いさんは、いますぐ部下に顔面張ってもらってください。電子書籍にしない理由はないんです。また環境問題を考えるなら、リサイクルするよりも消費しないことを選択すべきです。一度壊した生態系は、破壊者が思うほど簡単にもとに戻ったりはしないものです。

というわけで、やっぱりiPadがはやく発売されないかなーという話に帰結するのでした。iPadは黒船ですね。出版業界は頭が痛いでしょうが、まあ、これも与野流れでしょう。本を紙で刷らなくなったら、ずいぶん環境に優しいと思うよ、ほんと。5月10日に予約開始らしいですが、iPadとMacGizmoのスタンドはすでに購入予定。うふふふふふ。