脅威の理論展開!

いやはや、すごい記事を見つけてしまいました。個人ブログのようですが、豚インフルエンザ陰謀説です。困ったことに、大真面目なようです。大真面目です、と断言できないのが悔しい(だって、真面目に書いているのかどうかも判断できないんだもの)。

あまりにもトンデモだったので詳細に突っ込みを入れてみようかと思って書き出したのですが、突っ込みどころが多すぎて手に負えなくなり諦めました。すごく香ばしいので、久しぶりに「謎のウィルス騒動」を思い出します。あっははは。同じにおいがするー。

 全ての日本のテレビ局は、豚インフルエンザ問題を詳しく報道しているつもりのようですが、その内容には地球温暖化報道と同様に、時折デタラメ情報が混じっているので、マスゴミ発の情報を鵜呑みにしてはいけまでん(原文ママ)。(例:昨日の夕方の日本テレビでは、輸入されている豚肉は「殺菌処理」されていると報道した。 正しくは「滅菌処理」です。

なんてしょっぱなから書いてあったり。生肉を「滅菌処理」は出来ないと思います。滅菌処理は「対象の微生物をすべて除去するか、もしくは殺滅すること」ですが、本格的に滅菌処理するとそれはすでに「生」肉ではなくなってしまうでしょう。従って、殺菌(程度の多寡を問わない。極端に云えば、少しでも殺していればそれは殺菌)という表現が現実的なのではないかと思います。逆に滅菌処理した生肉って信じられないス。

簡単にまとめると、結局「タミフル備蓄は利権がらみの陰謀だ!」ということに尽きるようです。ちょっと自信ないですけどね。なぜか最後に温暖化の話が出てきて、どうやらこの方は地球温暖化を唱えるひとたちに対して並々ならぬ感情を抱いておられる様子が伝わってきます。おかげで頭がはてなでいっぱいになりそうになりました。

お茶のカテキンがインフルエンザウィルスに絶大な効果を上げている、お茶の効能を無視してインフルエンザパニックを演出するマスゴミけしからん、とも云っておられます。お茶の効能を「実証」した実験にはその実験デザインに難があり、現実的ではありません。信じる信じないは自由ですが、私個人の意見として、お茶でインフル感染が予防できるとは思えない。さらにインフルエンザが目に感染するようなニュアンスの記事も書いておられますが、新型はさほど結膜炎を起こさないという報告があがっています。従って、病院でも(直接顔にくしゃみを浴びるようなことがなければ)ゴーグルの着用は必要ないだろう、とされています(いまのところ)。

すごくいいにおいがします。わくわくしますね。

9月17日追記

ふとしたことから気がついたのですが、この記事の「陰謀説リンク先」の記事はすでにいろんなひとが詳細に突っ込んでおり、私が指摘した「滅菌処理」の間違いについてもすでに指摘されていたことのようです。けっこう有名な方のようですね。やはり地球温暖化に並々ならぬ関心を抱いておられる様子で、陰謀説論者でもいらっしゃるようです。

個人的には陰謀説そのものがどうでもよく、「あの○○は△△の陰謀だ!」という主張そのものもどうでもよいものです。実証できないものがすべて無駄だとはいいませんが、この手の陰謀説はどうあがいても実証不可能であり、おおむね「陰謀説に気付いた俺カコイイ」という空気に満ちているため、さらにどうでもいいと思います。現在、リンク先での活動を停止しておられるようで、他人の記事を批判するのにリンクを張らないのは卑怯だろうと思ってリンクさせていただいたのですが、ちょっと残念な感じです。