ベンチュリ効果

ソースが不明なので、これは雑記ネタにします。

ベンチュリ効果ってのは、車のエンジンを扱っている人ならおなじみ、「チューブの中を流動体が流れていくときに、チューブの内径を絞ってやると、狭くなった部分で流速が上がる」というやつです。定義が間違っていたらごめんなさい。車では、キャブレタに使われていますね。この他には、走行している車体を路面にくっつけようと働くダウンフォースはこいつが原因です。

弁が閉鎖不全を起こすと、心室が収縮したときに逆流が生じます。心室という巨大な空間から一気に押し出された血液が、ほんのわずかな隙間から心房内へ逆流するわけです。ここでベンチュリ効果が登場します。つまり、圧の高い閉鎖不全部分を通り抜けると、急に圧は低くなる。で、隙間を通り抜けた血液は乱流になっていますので、圧の低いところで流れが淀む。すると、血液が凝固し、弁に血栓が出来る。そこに菌が取りついて、IEの出来上がり、というわけです。

川の流れを見ても分かるとおり、圧の低いところにこけが生えます。圧の高いところには生えにくい。慢性心房細動の患者に脳梗塞が続発するのもきっと同じような理屈でしょう。従って、心エコーで見るべき部分は、「閉鎖不全のある弁の、逆流先の弁」ということになります。ここがもっとも圧が低いですから。

以上、心臓の本を読んでいて思ったことでした(笑)。日本で右心系の心内膜炎は比較的珍しいんですが、どんな異常があるときに要注意なのか、ここから想像出来ますね。