アウトプット

次回の勉強会の予定が固まったため、それに向けてのスライド造り。造りと書くと職人芸みたいだが、プレゼンテーションはつまり退屈な内容をいかに面白く興味深い(と思える)ものに見せかけるかがすべてのポイントであり、その点においては十分職人芸だ。現実歪曲空間とまで云われたAppleCEO スティーブ・ジョブスのプレゼンテーションはまさに神業の域。スライドを作るときには、PodCastで彼の講演を聴きながら作っている。分野のまったく違う模倣品にすぎないが、模倣すら出来ないよりかはなんぼかましかとも思う。

今年は一ヶ月に一回くらい、院内のいろんなところで勉強会を出来たらいいなと思っている。別に教えることに楽しさを覚えたわけではなく、そろそろアウトプットをして自分を整理しないといけないかなと思ったわけだ。自分が勉強することは楽しい。何と云っても、インプットがいちばん楽しいのである。インプットする楽しさに比べたら、アウトプットすることはまどろっこしいし、楽しさも半減してしまう。だからといって、アウトプットしなければ、自分を整理することが出来ないのである。アウトプットすることで、自分を整理しているわけだ。誰かに伝えようとする行為が、洗練された鋭さを生むのである。

自分にとって、いまいちばん足りてないと思うのは「経験」だ。でも、これ以上経験を積もうと思うと、違う施設に勉強しにいかせてもらうか、周囲との摩擦で自分を研磨するしかない。もっと積極的に処方や感染症に対して口出しすれば、経験は積めるだろうが、周囲との軋轢で摩耗していくだろう。でも、結局、鋭くなるということは、そういうことなのではないかと思う。自分が摩耗することなしに、鋭さを持つことは出来ない。いつだって、何かと引き換えにしなければならないものがある。

まあ結局、医局会でドクター連中相手に血培の重要性を演説するだけなんですがね。おまえらもっと血培出しやがれ、という内容です。原稿は用意せず、すべてアドリブでしゃべります。原稿用意したら、かえってやりにくくないですか?原稿は?ってよく聞かれるんですけど……