さらに考えて見た

学会などで時々見かけるコスト計算の一種に、これこれこういった作業を電子化したらこれだけのお金が浮きました、というシミュレーションがある。個人的にはあまり好きな発表ではなく、実用性にかけるという意味でまるで意味がないと思っているのだが、この手の発表は比較的よく見かける。ときどき発表内容に大きく頷いている聴衆とかいたりして、好きな人も多いようす。もしかしたら、共同演者なのかもしれないが。

意味がない、実用性にかけると思う理由は簡単で、そんな試算をしたところで実際にはお金が浮くことはないのである。お金を浮かそうと思ったら、この場合、人件費を削るということだ。しかし実際には人件費が削れるわけではないので、土台お金が浮くことはないのである。いやいやこれはデータを根拠にするための研究なのだよ、という見方もあるだろうが、実用性が皆無なデータのどこに説得力が宿るというのだろう?というわけで、あまり好きではないのである。

最近、電子化の最大限のメリットは資源の再配布なのではないかと思い始めましたが、電子化したら、長期的にはメリットが見込めるのに短期的には費用が増大するということが多々あり、なかなか電子化の推進は難しいところです。考えれば考えるほど、人間が主要因となる失敗が多いものですから……