すこしだけ問題発言してみよう

抗酸菌の塗抹検査について、すこしだけ。微生物関係者は怒らないで下さいね。

個人的に思うのですが、ときどき抗酸菌の塗抹検査で夜間呼び出されるのですが、アレ、別にやめてしまってもいいんじゃないかと思わないでもないです。まあ院内に微生物検査室があることの有用性、意義にもつながる重要なポイントにもなっていると思うのですが、しかし医学的に見て、この判断の仕方はすごく危険じゃないかと思うのですね。

夜間、技師を呼び出してでも抗酸菌を見て欲しいというケースは、ほとんどの場合、「疑わしいんだけどいまいち決め手に欠ける」というケースだと思います。疑う余地もなく結核です、というケースなら、とりあえず患者さんは隔離しておいて、検査自体は翌朝でも構わないわけですね。従って、呼び出す理由もないわけです。まったく疑わないケースも同様です。困るのは、「入院が必要で、
なおかつ、もしかしたら結核科もしれないケース」で、塗抹検査で見つからなければ一般病棟、見つかれば当然結核病棟、こんな感じで振り分けしたいという場合です。これは医学的に見て、実はとても困る。

塗抹で見つからなかったからといって、結核が否定されるわけではない、というとは、塗抹検査の感度の悪さからいっても納得できるとだと思います。従って、夜間にみるたった一度の塗抹検査の結果で一般病棟に入院させるのはいかがなものかと思わないでもないわけです。もちろん、結核が否定的で、その駄目押しの一手で塗抹検査というのもありだとは思いますが、逆に疑わしいケースなら塗抹検査の結果如何にかかわらず、隔離病室に入院させる必要性はあるわけですね。困ったことに、そうやって考えていくと、個室をたくさん用意しておけば、夜間の塗抹検査をやらずとも、疑わしい場合はすべてそこに一時入院させておき、じっくり結核を否定したらいい、という結論になっちゃうんですよね……全体的に見て、こちらの方がセイフティだと思われます。

というわけで、なんだか自分自身を否定するような発言でした(苦笑)最近、変な呼び出しが多くてねえ……