方法論にこだわらない

みんな、「所定の手順」が大好きである。

これはなぜなんだろうと、以前から不思議だった。微生物の世界にも、じつは公定法がある。みんなが同じ手順で検査を実施することで、結果が一定の水準で保証される。独自の手順を入れ込むと、こんどはその独自手順が結果に影響を及ぼしている可能性を排除しなければならない。そういった可能性を検討し、定められた保証された手法が、公定法である。

この「所定の手順」を定めると、基本的には思考停止してしまう。改善することも、改訂することも、無視することもできない。だが、この手順に従っているうちは、失敗しても、仮に根本から間違っていたとしても、非難されることはない。それは「手順」がまずいからだ。「悪法でも法律は法律」である。だから、組織はマニュアルにこだわりがある。どんな方法でもいいから、「各自」効率的に業務を処理しろ、と広言している組織は、あまりお目にかかれないと思う。

これが単純な製品をラインで扱う製造業とかならマニュアルも必要だが、逆に方法論にこだわるひとを大量に生み出した気がするし、方法を教える教育にもつながっている気がする。