腹水に混じるCandida

腹水培養からCandidaが検出される場合、それが術後であれば、多くのケースで縫合不全であった。

消化管であれば、ほとんどの場合、内容物の漏出→術後抗菌薬で一般細菌が死滅→最後まで常在菌層の一部であるCandidaが残る、というパターンで検出される物と思われる。外科医は認めたがらない場合が多いが、後日、縫合不全であったことがわかるケースが多かった。基本的には、通常腹水からCandidaが培養されることはないので、そこから検出される場合は何か「理由」があると思った方がよい。

問題は、外科医にその懸念を伝えても一蹴されるケースが多い、という点である。認めたくないという気持ちはわかるのだが、基本的に腹水にCandidaを認めたなら、さっさと縫合不全の可能性を検討した方がよいように思われる。これが汚染菌である可能性はほぼゼロだ。もんもんと考えるだけ無駄なので、ちゃんとした検出菌として、正面から向き合うのがよい。

経験則だが、少なからず当たるので、見れば指摘するようにはしている。ぜひ、頭の片隅にとどめておいてほしい。