BRM822 宗谷岬600 その5

旭川駅は、構内が自転車禁止なのだそうだ。構内で自転車を組み立てていて怒られてしまった。押して入るのもダメなのだそうだ。謝罪して、慌てて自転車を担ぎだす。

輪行を解除して、適当に走り出した。方角さえあっていれば、あとは予定があるわけでもないし、どうとでもなるだろう。むしろ早く到着してしまうと、チェックインできないから困ってしまう。途中、長大なトンネルに入ってガチ漕ぎしたのでさらに膝を痛めるが、そのあとは追い風に恵まれ、ゆるゆるとペダルをまわすだけで30km/hを維持できた。とりあえずゴールに立ち寄って、無事ですよ報告だけしておこうと思っていたのだが、思っていたよりも早く、ゴールについてしまう。

私がゴールした(?)段階で、ちゃんとゴールしていたのは3人。もっとも早いひとで、21時間だったそうだから、朝の5時着。私がまだ仮眠所でうつらうつらしていた頃だ。すごいひともいるものだなあ。

北海道は暑かった。北海道は寒かった。北海道は怖かったし、北海道は広かった。最初は、同じ景色ばかり続いて、阿蘇と比べても退屈だなあと思っていた。雄大なのだ。すべてが「広く」て、スケールが違いすぎる。以前、学会のために来たことがあるけれども、そのときは、「北海道」がいまいちピンとこなかった。自転車で走ってみて、少しわかった気がする。「これ」が北海道と云うつもりはないけれども、北海道の欠片をかいま見た気がするのだ。

結局合計で300kmしか走れなかったし、膝も壊れたけれども、とても楽しかった。主催者にお聞きしたところ、たぶん来年もやるよ、とのことで、来年もぜひ参加したい。そのときは、リベンジではないけれども、もういちど、ちゃんと完走したいと、そう思っている。