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プロであるということ

検査室を掃除してくれているかたが、床の汚れを落としてくださった。

こう書くと当たり前のことのように思えるが、その汚れとは、床の粘着テープをはがした後にできた、あの汚いテープ痕だ。忙しいはずなのに、洗剤とヘラを持ってきて、対処してくださった。たまたま私が仕事で現場にいたから目撃することになったが、私はべつにこの汚れを取って欲しいなどと云ってはいない。私はこの汚れをとることを、当面諦めていた。

理由は簡単、時間がかかるからだ。綺麗になる保障もない。粘着テープ痕に汚れが付着して塊になり、黒いスジになって残っていた。そこをヘラでごしごしと擦る。やっていただいた後は、かなり綺麗になっていた。ヘラでごしごしと床を擦りながら、掃除の方は「見た目汚いからねえ、前から取ろうと思ってたんだよ」と云ってくださった。

たまたま私が目撃したが、別に私が目撃せずとも、掃除の方はやってくださっただろう。自分のやっている職務に自覚と誇りがなければ、こうはなるまい。

最近いろいろあって自分の仕事にモチベーションが保てなくなっていた私は、これをみて、いろいろと感じることがあった。せめて自分の仕事に対しては、嘘偽りなく、こうありたいと思うのである。